漫画3万冊1200万円、芸能人ギャラ380万円…「不適切」な政務活動費

 今年は全国各地の地方議会で政務活動費の使用に関する問題が多数噴出した。実際に辞職に追い込まれた議員も多数存在する。そんな中、静岡市議会の自民党市議団が政務活動費1200万円を使い、地元の偉人をPRする漫画を日本語版、英仏中国語版と合わせて約3万冊作った。制作した漫画は後援者らに無償で配っていた。違法な支出として市民は政務活動費返還を求めた。自民党市議団側は違法ではないと主張している。

 地方自治法第100条では、政務活動費は「議員の調査研究その他の活動に必要な経費として政務活動費を交付する」とある。果たしてこの漫画3万冊は正当な政務活動費にあたるのか。自民党市議団鈴木和彦会長は「PRは政務活動の一環であり、適正である」と述べた。しかし、12月3日、『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)に中継で出演した全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡事務局長は、この説明には納得しない。


 「これは観光課がやるべきこと。100条は、議員の仕事のやり方、制度についてのものです。調査したり、資料を集めるためのものです。基本に基づけば、自治体の仕事を調査するための調査研究でなくてはいけないんです」


 これに対し、番組出演者の佐藤みのり弁護士は「PR活動も含まれるか微妙なラインになっています。市民の目線で見てそれは目的外だろう? ということに今回の問題点があるのかと思います」と語った。これには新海氏も市民の目線で納得できるかどうかが重要な判断材料になると同意した。

 さらに、今回の漫画自体は出来栄えはよく、さらに議員が私腹を肥やすものではないため、批判しにくい空気はあったと認識している。ただし、自治体の仕事と関係あるのかどうかは疑問だ。ここで問題となるのが公職選挙法の199条だ。これは「当該選挙区内にある者に対し寄付をしてはならない」と定めたもので、過去にも松島みどり元法務大臣が地元で「うちわ」を配ったことから大臣を更迭された例があり、漫画にしても選挙区内の人に配ったのであれば、問題になるかもしれないという。


 また、静岡県議にも不適切な政務活動費の使用があった。ふじのくに県民クラブ会長の中沢通訓県議は、芸能人2人(宮川花子さん、河野景子さん)に対し、380万円のギャラを支払ったが、指摘を受けて全額返還している。今回の件では、あくまでも違反ではないとし、議員辞職は否定。事前に議会事務局に相談し、問題ないという回答を得ていた。そのため、事務局の見解含めて疑問の声が上がっている。新海氏は、この件についてはこう語る。


 「芸能人を呼ぶのは政策と関係ないですよね。広報というのは、市の政策とか政策の問題点を伝えるもの。市や県のどういう活動を問題にしているのかというテーマがない。芸能人を呼んで、自分の名前を広めるものであり、政務活動費の本来の趣旨である自治体の『調査』とは言えない状況。結局、政務活動費が『第二給与』みたいなものになってしまっています。政務活動費については、条例で定めないとまずいだろう、ということで条例で定められるようになりました。しかし、議員としては、既得権益みたいな意識があるので、拡大解釈して使ってしまうのですね。議会運営とは関係なく使い、広報費で使えるならあらゆる広報で使えるだろう、となってしまったのです」


 政務活動費は別に使わないでもよく、余ったら返還すればいいもの。番組MCのみのもんた氏(72)はネットで公開できないものか、と聞くと新海氏は「それが第一歩だと思う。今オンブズマンがやっているのがそれです。ネットに載せなさいよ、とやっています。現金の帳簿とかを、お金を出して情報公開請求するという時代ではない。ネットで誰でも見られるようにすべき、という時代です」と同意した。

(C)AbemaTV

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