「大きな黒いネズミがいる」小池都知事VS森会長バトル勃発、因縁の歴史

 2020年に迎える東京オリンピック・パラリンピック。その開催施設をめぐって小池都知事と東京五輪組織委員会の森会長が激突している。

 「ちょっとそれは失礼なんじゃないですか?」


 2日に行われた定例会見で、「横浜アリーナは実際厳しいのでは…」「大山鳴動してネズミ一匹といいますか…」と記者に言われた小池都知事は怒りの表情を見せながら語った。「大山鳴動して鼠一匹」とは大騒ぎしたわりには実際には結果が小さいことのたとえである。


 しかしながら興奮したのも一瞬、すぐに表情を変えた小池都知事は「このままいきますと豊洲ではありませんけれども、どんどん(費用が)膨らんでいたと思いますね」とそもそもの問題をあぶりだした自分の成果を誇るような答えで落ち着きを取り戻した。


 さらに「ネズミどころか大きな黒いネズミがいることがここで分かったじゃないですか。これから頭の黒いネズミをどんどん探していきたいと思っています」とこれまでも度々衝突してきた森会長を皮肉るかのような発言を残した。


 11月29日に行われた3会場見直しを議論する五輪調整会議でも2人はやり合った。ボートと水泳会場は計画通りとなったものの、小池都知事がバレーボール会場の決定を先延ばしにしたためだ。


 「(バレーボール会場候補の)有明アリーナと横浜アリーナに関しましてはあとしばらくお時間を頂戴し」と前置きした上で「クリスマスまでには最終の結論を出したい」と述べた小池都知事。これに対して森会長は「クリスマスまでにまだ何をおやりになるのですか」「横浜が合意しているのですか?それが一番大事なんではないですか?」と質問を浴びせた。


 会議終了後も2人のバトルは止むことはなく、森会長は「ある日突然まったく知らない人からあなたのお嫁さんに決めました、と言われたら嬉しいか迷惑か。そういうことですよ」と今回の件を例えて問題を指摘。一方の小池都知事も「詳しくは申し上げないが、横浜も歓迎しているものと私は受け止めている」とコメント。


 しかしながら肝心の横浜市は4日前の25日に「国内外の競技団体やIOCの意向が一致していることが重要」という意見を都に提出していた。


 豊洲移転問題で着工が遅れている環状2号線に関して調整会議で話し合った際には、冒頭で小池都知事が敬意を表して森会長に発言を求めたものの当の森会長は発言せず。ところが会議の最後に意見を求められると、「いつまでに工事ができるのか。もし不可能であればどういうやり方があるのか」などと黙ってはいられないといった態度で小池都知事に食ってかかった。


 また“コンパクト”が謳い文句の東京五輪であるが、小池都知事からいつの間にか予算が膨らんだことに苦言を呈された森会長は「全体を見て考えていただきたいことです」「選挙の時に使うような言葉を今の公式な真面目な議論している時に出すべきではない」などとコメントを残した。


 小池都知事と森会長の因縁は今に始まった事ではない。

 小池都知事が政界入りを果たしたのは1992年。その後2002年に自民党に入党すると翌年には森派に所属するようになる。2003年に小泉内閣で初入閣を果たした小池都知事は、2008年に森派が推す麻生太郎氏に対抗して自民党総裁選に出馬。どちらも派閥領袖である森氏に無断で行動したものであったため、小池都知事と森会長、この2人には大きな溝ができてしまったのである。


 1日、都庁ではあるメディア戦略ともパフォーマンスともとれる光景が見られた。小池知事が「森退治」と書かれた夕刊紙を抱えマスコミの前に登場したのである。森会長を敵として見立てることで世論やマスコミを味方につけようとしたのであろうか。


 そんな小池知事が「森退治」の切り札としたのがバレーボール会場となる予定の新施設「有明アリーナ」だ。新設した場合約340億円かかるが、小池知事は既存の横浜アリーナをリフォームして使えば7億円で済むと主張している。東京にはアリーナがないということもあり、水泳とボートで大きく譲歩した小池知事としては「目に見える成果」としてなんとしても横浜でやりたいということだそうである。


 しかしながらこれに対し森会長は横浜が合意しているのかという点で反論。実は横浜アリーナの改築費用は地方自治法上、東京都が直接出すことができず、横浜市か神奈川県が負担することになるのである。また周辺の民間の土地を誰が借りるのかなどといった点も問題になるということである。


 まだまだ課題が残っている五輪施設見直し問題。小池都知事と森会長の2人がどこまでやってくれるのか。今後の動向に目が離せない。

(C)AbemaTV

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