”日本最悪の赤字路線”北海道留萌線増毛駅、まもなく100年近い歴史に幕

 北海道増毛(ましけ)町にある「増毛駅」が、100年近いその歴史に幕を下ろそうとしている。


 日本海沿いを走る自然豊かな路線として知られ、鉄道ファンの間でも人気が高い留萌線だが、JR北海道は6月下旬、留萌線(留萌~増毛駅間)を12月5日に廃止すると発表。留萌から増毛までの16.7キロが12月5日をもって廃止になる。


 「増毛」というユニークな地名の由来は、アイヌ語で「かもめの多いところ」という意味の「マシュケ」から来ているという。由来はさておき、この「増毛駅」、薄毛で悩む人々から「髪が増えそう」と大人気。増毛駅の切符をお土産にする人も多く、「増毛町の願い」というヘアローションも売り出されているという。


 また、高倉健さん主演の映画、「駅 STATION」の舞台となったことでも知られている。ヒロインの倍賞千恵子さんとの出会いと別れのシーンや数々の名シーンが増毛駅で生まれており、今でも“聖地巡礼”に訪れる健さんファンがいるという。


 増毛町まで鉄路が伸びたのは、95年前の大正時代の頃。日本海に面した増毛町は当時ニシン漁で活気に満ち溢れており、鉄道はその重要な輸送手段でもあった。


 ところがニシン漁の不漁や炭鉱の閉山で、その賑わいは過去のものになってしまった。JR北海道によると、この区間を走る列車1本当たりの乗客はわずか3人にまで減少したという。経営も振るわず、2014年度にはおよそ1億6千万円の赤字を出し、”日本最悪の赤字路線”と呼ばれるまでになってしまった。


 鉄道ジャーナリストの梅原淳氏によると、留萌線は収入が年間700万円ほどだったのに対し、赤字は1億円を超えていたという。


 しかし、経営が厳しく、赤字路線になっているのは、留萌線(留萌~増毛駅間)だけではない。平成26年のJR北海道による発表によると、道内の全路線が赤字であることが明らかになっている。


 鉄道路線廃止の発表のたびに全国の鉄道ファンから「寂しい」という声が上がる一方、全国各地で過疎化や人口減少で鉄道離れが進んでいるのも事実だ。


 留萌線について梅原氏は「昭和の時代から沿線の過疎化が進んでいた」と話す。最盛期は1万6000人ほどあった増毛町の人口は、いまは約5000人に減少している。加えて、地元住民は自動車を利用する人がほとんどで、鉄道を利用する人は少ないという背景もあるという。

 

 しかし、駅周辺の人々にとって、消えゆく鉄路は身近な存在。開業は駅とほぼ同じ頃だという老舗食堂の女性は「(以前は)駅舎が倍の広さだった。それが半分になっちゃった」と寂しさを滲ませた。

(C)AbemaTV

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