慶應卒なのに人生がつらい37歳 手取り12万円で5年給料上がらず

 一流大学を卒業すれば、その後の人生は安泰……というわけでもない。神奈川県で両親と3人で暮らす橋本明文さん(仮名・37歳)は、私立大学のトップクラスである慶應義塾大学の卒業生である。

 人一倍真面目な彼は、10代のときの高校受験での失敗を挽回しようと、勉学に励み、現役で同大学の経済学部に合格。しかし、生まれつき極度に人付き合いが苦手な彼は、就職活動をしていた4年生のときになかなか面接がうまくいかず、度重なるストレスのせいか「統合失調症」という病気を患ってしまった。


 以来、仕事探しもうまくいかず、現在まで非正規雇用で働く彼にAbemaTIMES編集部はインタビューを実施。以下がその時のやりとりである。


 ■同僚のサボりが原因で自分だけが忙しい目に

 ――今はどういったお仕事をされているのですか?

 橋本:ある住宅メーカーの障害者雇用枠で事務の仕事をしています。僕はとにかく面接が苦手だったので、就労支援センターで働く友人の伝手を頼って、なんとか就職口を見つけることができました。ただ、今後も働け続けられるかどうかわからなくて……

 ――それはなぜ?

 橋本:今の会社との契約は1年更新なんですが、新しい上司との折り合いがうまくいっていないんです。僕以外の同僚4人もみんな障害者。でも、彼らは勤務中に平気で昼寝をしたり、勝手に早退したりすることが許されている状態で。すると、なぜか彼らが終わらせられなかった仕事が僕のほうに回されることが続いて、それについて上司に改善を求めたんです。そしたら、口論になってしまいました。それ以来険悪ムードです。

 ――残業をすることもあるんですか?

 橋本:障害者雇用枠なので毎日必ず16時には退社するルールです。ところが、それもストレスで……。前に20分だけ残業をしていたら、上司が「橋本君、さっさと終わらせようよ」といやみったらしく言ってくるわけです。「勝手に仕事を増やしておいて、自分の要望も聞いてくれないで、なんだその態度はって!」って内心激怒していました。


 ■「上司は自分を厄介払いしたいと思っている」

 ――現状から抜け出すのは難しいですか?

 橋本:……どうでしょう。上司が異動するか、僕がやめるかですね。異動したとしても、同僚のサボりが改善されるかどうかわかりませんし。

 ――ストレスフルな状態が続くと、病気のほうも心配ですよね。

 橋本:就活と違って、多人数と付き合わないでいいので、今は症状は落ち着いています。ただ、5年以上給料は上がらないし、今後上がる見込みもない。慶応まで出ておいて、親に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 ――:ちなみに仕事で得たお金は何に使っているんですか?

 橋本:手取りがだいたい12万円ぐらい。そこから2万5000円は家賃に入れて、あとは本を買うお金に使ったり、貯金に回しています。僕は70歳近くなる親が死んだら、もう孤立無援な状態になってしまいます。その時がくるまでに、ある程度は蓄えておきたいですね……。

 ―― 今の状況を自分で振り返ってみて、どう思いますか?

 橋本:悲しいです。給料も上がらない、状況は悪くなる一方。2013年に施行された改正労働契約法によって、5年後には無期雇用される可能性もあるんですが、その前に嫌いな上司によって契約を切られる可能性もあります。上司は私のことを厄介払いしたいと思っていますから。でも、考えても不安になるだけなので、なるべく考えないようにしています。


取材・文/AbemaTIMES編集部

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