夢のがん治療薬の価格引き下げで浮き彫りに 日本の特殊な薬価制度とは

 人間の免疫細胞の免疫反応を高め、がん細胞への攻撃を促すことのできる治療薬、オプジーボ。 16日、厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)が来年2月にこのオプジーボについて価格を半額にすることを提案、了承された。


 オプジーボとは一体どのような薬なのか。


 通常、体内に入ったウイルスを排除しようと働くが、がん細胞は免疫細胞の動きを止めることができてしまうため、その増殖を許してしまうのだ。そこで登場するのがオプジーボで、がん細胞が免疫細胞の動きを止めるのを防ぐ働きをするのだという。そのため治癒力は非常に高いものの薬価も高額で、成人男性の1年間の使用で総額3500万円ほどもかかってしまい、保険の適用や高額医療費制度によって患者の自己負担は全額ではない一方、国の医療費をさらに押し上げる可能性が指摘されてきた。


 実際、おととし9月の発売以来、想定より使用する患者も大幅に増えており、財務省や経済財政諮問会議が価格の引き下げを求めていた。塩崎厚生労働大臣も「薬価制度そのものについても平成30年に向けてイノベーションを大事にしつつ、国内外の意見も参照して、国民負担にも最大限に配慮する。最大引き下げ幅25%というのはあくまでルールでしかない。そのルールに照らし合わせたうえで何ができるか考えたい」と発言、価格を緊急に引き下げる方針を明らかにしていた。オプジーボの値下げは、”緊急かつ異例の対応だったのだ。


 そもそも日本の薬価は、どのように決まっているのだろうか。


 医療機関で処方されている薬価を決めているのは、病院や製薬会社ではなく、国だ。既存の薬と効能や作用が異なる場合、原材料や開発費などを基準に薬価が決められるが、そうでない場合、より高い効果が認められれば価格が上乗せされる。この見直しは2年ごとに行われており、価格も全体的に安くなってきているというが、東京大学大学院薬学系研究科の五十嵐中准教授は、日本の制度について「あまり世界では類がない」と話す。製薬会社にある程度の裁量がある他国と比べ、日本はルールが厳しく、薬価の変更も容易ではない。つまり、必要以上に高い価格設定をできなくすることができる一方、融通の効かない面もあるのだ。


 今回、オプジーボが浮き彫りにしたその日本の薬価設定問題。いま見直す岐路に立たされている。

(C)AbemaTV

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