美術館職員たちの”生々しい現場”を描いたドキュメンタリー映画が公開へ

  • 『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』
  • 11月26日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
  • (C)Navigator Film 2014


 伝統か革新かーー。静まりかえった美術館の影に、知られざる人々の想いが隠れている。


 映画「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」は、創立120年目を迎えたウィーン美術史美術館が行った改装工事から再オープンを記録したドキュメンタリー映画だ。絵画だけで7000点を超えるハプスブルク家の遺産を収蔵、伝統ある美術館として知られる同館の舞台裏を描いており、集客に向けたブランディング戦略、現実的なお金の問題、そして後世に伝える責任、個性豊かなスタッフたちの知られざる姿を描き出す。


 「果たして我々は名門一族の忠実な下僕か、あるいは現代人として市場に身を委ねるか。それが問われている」


 交通機関やネットが発達し、世界はグローバル化した。人々が自国以外の美術館へ足を運ぶ機会が増える中、美術館にとってはいかに集客を伸ばすか、そして予算を獲得するかという課題が重要だ。

 美術ジャーナリストの藤原えりみ氏は「美術館の維持は国からの助成金だけでは、とてもまかないきれない」と話す。作品・施設の維持費用、修復作業ーー。維持にはそれぞれの分野の高度な技術が要求され、そのための高額の費用が必要になる。「お金は必要、でも”美術”は守り抜きたい」。美術館にはマーケティングとアートの間で葛藤する多くの職員たちがいる。


 ウィーン美術史美術館での研修時代に、映画に登場する職員たちと交流し、その想いを間近で見た国立西洋美術館 研究員の新藤 淳氏は、「会議場面は“生”すぎて、本当に出していいのかと思った」と感想を語った。


 理想と現実の間で葛藤するスタッフたち。作品に映し出されていたのは、現代の美術館が抱える、避けては通れない現実だ。より多くの人に”本物の美術”に触れてもらうためにはどうしたらよいか。アートとビジネス。そのせめぎ合いの中で、美術館職員たちはどのような答えを見出すのかーー。

(C)AbemaTV

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