支持率5%まで急降下した朴槿恵大統領への捜査の行方は?

11月5日、韓国・ソウルで参加者20万人(警察推計4万5000人)とも言われた朴槿恵大統領の退陣を要求するデモが行われた。3日には「大統領を操る女」と言われる朴氏の知人女性・崔順実容疑者が大統領府の首席秘書官とともに自身が関与する財団に違法に資金を拠出させたとし、職権乱用の共犯と詐欺未遂の疑いで逮捕されている。崔容疑者は、朴氏のスピーチを手直しするなど、朴氏を操っていたと解釈されている。そして大統領である朴氏が一民間人に機密情報を漏洩していたことが問題視されている。

デモの様子について、5日に放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)では、現地コーディネーターのオム・キフン氏が登場。デモ隊の掲げたカードには「朴槿恵大統領退陣しろ」と書かれてあることや、4日に朴氏が行った説明に納得できていない人が多く、朴氏は現職大統領としては異例の検察の捜査は受け入れるのではとされていると伝えた。なお、警察はデモの取り締まりは行っておらず、あくまでも安全のために配置されているだけだという。デモは12日まで毎日行われると想定されている。

朴氏の逮捕の可能性についてオム氏は「前代未聞ですが、可能性はゼロではないです。ただ、可能性は高いとはいえないです」と語った。番組コメンテーターの漫画家・倉田真由美氏は「こんなので『やっぱり女の政治家はダメだな……』みたいにならなければいいですね」と語り、コラムニスト・吉木誉絵氏は「国家機密漏洩ってのいうことが問題ですよね。北朝鮮に情報が回っていたりしたら……」と懸念を述べた。

元々、崔容疑者は、母親が殺された朴氏に取り入り、ここ40年ほど深い関係にあった。そこから数々の利権をむさぼっていたことが指摘されたが、その一つが「ヌルプム体操」だ。韓国の国民的体操を作るにあたり、元々決まっていた体操を撤回させ、崔容疑者が主導した「ヌルプム体操」に変えられた。その映像制作費等である2000万円が崔容疑者の関連会社に支払われた。版権も持っていたので、普及するほどお金が入る。さらには、娘が名門女子大学に裏口入学した疑惑なども持たれている。一連の件について番組ではコリア・リポート編集長の辺真一氏に話を聞いた。

「元々、崔容疑者の父親である宗教家が朴氏に対し、『お母さんが夢の中に出るようにしましょう』と言ったところ、実際に夢に出ました。その宗教家に朴氏は心酔しました。崔容疑者からすれば、バックに朴氏がいるため、国家の文化等の予算を自分の財団につぎ込ませられます。大統領首席秘書官の肝いりプロジェクトなのでお金を出してあげなさい、と働きかけました。財界からすると朴氏が出しなさいと言っているのと同じことなので、従わなければいけないのです。従わないと財閥であろうと解体させられます。大統領はそこまでの権限があるのです」

◆次の政権がクリーンさを示すために前任大統領を陥れる韓国社会

なお、朴氏が退陣を覚悟しているかどうかについて辺氏は否定的な見方を示す。あくまでも検察の捜査結果を待つこととなるが、朴氏の言い分としては「崔容疑者を監督できなかったのが不覚。それが私の責任」ということになる。収賄について朴氏は自らの関与は一切認めていないのだ。ただし、完全に「シロ」であったとしても、国民の怒りは収まらないだろうから、どちらにせよ、朴氏の状況は厳しいものがある。現在、朴氏は検察に対し、書面による捜査を受けようとしている段階。だが、デモ隊のプラカードには「謝罪する必要はない。直ちに辞めなさい」「ただちに拘束せよ」と書かれたものもあったそうで、国民の怒りはおさまりそうにない。

なお、朴氏は新首相に野党系の議員・金秉準氏を任命。これにより野党の追及を避けられるとの計算がある。もしも大統領が辞任ということになると、金氏がその任を担うことになるそうで、辺氏は「彼はやる気満々です」と語った。そして朴氏辞任による日本との影響についてもこう語る。

「支持率5%は国民からNOを突き付けられた形です。完全に支持されていないこの状況で外交ができますか? 今は火消しに躍起になっているだけです。日本も中国も、実権もない地に落ちた大統領と話しても益がないので、年末に行われる予定の日中韓首脳会談が流れる可能性はある。となれば、朴氏は在任中1回も日本に来なかったことになり、歴代で唯一の1回も来なかった韓国大統領になります」

また、この混乱に乗じて北朝鮮が攻めてきた場合は、軍の指揮権が大統領にあるだけに統制が取れるのか? と吉木氏が質問をすると辺氏は「その場合は米軍が統制する」と述べた。また、次期大統領としては国連事務総長の潘基文氏が候補に挙がっている。

続きを見る

0コメント

  • 1000 / 1000