大統領側近女性問題もわかる 韓流ドラマの定番「財閥」とは?

根強い人気を誇る韓国ドラマ。「花より男子」「宮」「華麗なる遺産」はまさに王道のラインナップである。なぜかといえば、韓国のドラマは以下の3ジャンルに収斂されるからだ。それは、格差恋愛、歴史、遺産を巡る愛憎劇だ。

歴史物はどの国も固有の物語があるので詳しく説明しないが、格差恋愛と遺産モノについては少々説明が必要だろう。韓国は階級社会ではないが、財閥に属している(関係している)か否かで貧富の差が大きく異なり、それが明確な格差を生んでいる。様々な家電製品で知られるサムスングループ、食品からエンタメまでを網羅するCJグループ、韓国の国民的自動車メーカーを擁する現代財閥などが、その代表になる。

極端な話、これら財閥の関係者になるか否かで、人生の経済的安定度が変わってくる。韓国には儒教文化が根付いているため、血縁関係が重視される。つまり韓国の社会や経済は財閥とその血縁者によって牛耳られている。貧乏人がそこに食い込むには、(実際にはほぼ無理だが)結婚などで親類になること。これが格差恋愛と遺産モノの根底にある。大財閥の数は10。それらが稼ぎ出す利益は韓国のGDPの75%にも及ぶ。一般市民が一発逆転を狙うなら財閥に食い込むことに尽きる。余談だが、韓国の多くの学生にとって、財閥系の企業に入ることが至上命題なのだ。

韓国ドラマの王道パターンは、貧乏人の主人公が財閥の御曹司に見初められ、生活の格差に四苦八苦しつつも、真実の愛を見つけるというもの。しかし御曹司には大抵許嫁がいて、財閥という巨大な権力装置の中では、個人の思いよりも組織の論理が優先されるため、概ね主人公と御曹司、許嫁の三角関係になる。そこで様々な陰謀や嫌がらせ、報復などが繰り返される。

韓国のドラマは1回約70〜80分で週2回放送される。しかも20話などで構成されていることが多いため、いじめ→解決→いじめ→解決というスパイラルが延々と続く。ドラマ的には最初に起こる問題より、次の問題の方がハードにならないと物語に推進力がなくなってしまう。またいじめが陰湿であるほど解決した時のカタルシスが大きくなるので、韓流ドラマおなじみのハードコアな内容になっていく。一般市民は財閥に対するコンプレックスの空気抜きを、ドロドロのドラマを観ることで行っているのだ。

読者の記憶にも新しい「ナッツ姫」事件や、今韓国社会を揺るがしている朴槿恵大統領の知人女性問題に関して、韓国の人々がなぜあんなに苛烈に反応するのかといえば、一般庶民と財閥との間に日本から垣間見ることができない深すぎる溝があるからだ。

これらの事情を知らなくても十分楽しい韓国ドラマだが、韓国社会のことを少しだけ知っていると、また違った楽しみ方ができるのではないだろうか?

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