広島カープ・黒田投手の野球人生を変えたカープファンの思い

「あと何試合登板できるかわからないですが、今までも(毎試合)最後のつもりで常にマウンドに上がって来たので、それは変わらないと思います。最後はケガを恐れずに、目いっぱい投げていきたいと思います。」

先日、今シーズン限りで現役引退を発表した広島東洋カープの黒田博樹投手。

日米通算で203勝をあげ、今年広島東洋カープに25年ぶりリーグ優勝をもたらした。

しかし、「レジェンド・黒田」の野球人生は順風満帆と言えるものではなかった。

高校時代は背番号10の控え投手、大学も当時は強豪ではなかった専修大学。

ここで強きを倒す喜びを知った黒田投手は、広島東洋カープに入団。

プロ1年目には2軍で10失点の失態もあったが、持ち前の忍耐力と努力で、一流投手への道を歩んだ。

そんな広島のエースに大きな転機が訪れたのは、今からちょうど10年前にあたる2006年、10月。

移籍が自由にできる権利「フリーエージェント」を取得したシーズンの最終戦。黒田投手はカープファンが起こした行動に衝撃をうけた。

広島に残ってほしい、と願うファンたちがスタンドに大きく掲げた横断幕。

そこには「我々は共に闘って来た 今までもこれからも… 未来へ輝くその日まで 君が涙を流すなら 君の涙になってやる カープのエース 黒田博樹」との言葉が。

このファンの思いが黒田投手の心を動かし、もう一年カープで頑張ることを決意。

その時の心境を「他球団のユニフォームを着て、この市民球場で、こんなに熱いカープファンの前で投げることなんてできない」と語っている。

翌年、晴れてメジャーリーグへ移籍する際も「帰るならカープしかない」と語った。長い時間をかけて自分をエースに育て上げてくれたカープとファンに、言い尽くせない感謝の気持ちを持ち続け、メジャーでも大活躍。

そして約束通り、広島に帰ってきた。

ファンへの恩返しが、数々の大記録と25年ぶりの優勝。しかし、広島を愛し、広島に愛された黒田投手は常々、こう言い続けている。

「野球を楽しいと思ったことはない」

観客がお金を払って見に来てくれる、それに対して気を抜けない気持ちやプレッシャー。

プロとして男として、野球にまっすぐ、チームにまっすぐ、そしてファンにもまっすぐに向き合ってきた黒田投手。

32年ぶりの日本一を引退の置き土産に、愛するファンと共に優勝を目指す。


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