蒼井優と石崎ひゅーい共演映画、松居大悟監督が制作秘話を語る

(C)2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会


今年6月、18年目を迎えたアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」、略して「ショートショート」が17日の月曜から新たなイベントを開催。それが「シネマカーニバル」、秋の短編映画収穫祭だ。

上映される短編映画は、25分以内。6月に開かれたショートショートのミュージックビデオ部門で優秀賞を獲得した松居大悟監督作品「花瓶に花」など、世界12か国から19作品がすべて無料で見られる。

12日にオンエアされたAbemaTV『AbemaPrime』水曜日の特集コーナー「世界再発見“World Moving”」では、ショートショートフィルムフェスティバル&アジアPRマネージャーの高橋秀幸氏からオススメの映画を聞くほか、映画監督の松居大悟氏からは制作秘話も明かされた。


■「シネマカーニバル」スケジュール

SSFF&ASIA シネマカーニバル-秋の短編映画収穫祭-

10月17日〜19日アンダーズ東京

20日〜23日東京都写真美術館

上映は無料。※一部有料のイベントあり


高橋さんオススメは、人気のイギリス人俳優で、マーティン・フリーマン主演の「ミッドナイト・オブ・マイ・ライフ」。ひとことでいうと、男の生き様を描いた作品。殿堂入りをはたしたロックバンドの”おちていく”シーンが7分で描かれているとのことだ。


■石崎ひゅーい「花瓶の花」から誕生した「花瓶に花」制作秘話

イベントでは、松居監督の「花瓶に花」も上映される。


——この作品は、シンガーソングライターの石崎ひゅーいの楽曲「花瓶の花」から誕生したものということですが、なぜ短編映画にしようと考えられたんですか?


松居監督)オファーをいただいたとき、バラード曲だったんですけれども、ミュージシャンが画面に向かって歌うよりも、誰かのために歌ったほうが、曲が伝わるなと思って。もともとひゅーい君が友達のために作った曲で、ひゅーい君のエピソードがもとになっています。


——楽曲「花瓶の花」、映画では「花瓶に花」。“てにをは”が変わっているのは?


松居監督)これ、本当にややこしくて申し訳ないんですけど(笑)。ミュージックビデオと切り離そうと思ってつけたんです。


——映像をつくるうえで影響を受けたのは、歌詞ですか? メロディラインですか?


松居監督)聴いたときの自分の感情ですかね。歌詞に寄り添ったら、つまらないというか、それなら映像を作る必要はないなと思って。


——映画の中ですごい泣いている人がいるんですけど、涙腺が刺激されるような映画ですか?


松居監督)そうですね、編集しながら僕も泣いたんですけど。


——短編映画を撮る魅力とは?


松居監督)単純にすごく広がりが出るというか。楽曲だけでは伝えられない要素、歌詞と歌詞の行間とかも含められるので、すごく好きですね。


■蒼井優と石崎ひゅーいが共演した長編映画「アズミ・ハルコは行方不明」(以下:「アズミ・ハルコ」)制作秘話

——そして、12月3日公開の映画「アズミ・ハルコは行方不明」。こちらは、どんな作品なんですか?


松居監督)去年の9月に撮影していて、蒼井優さんの相手役としてひゅーい君に出てもらっていて。このときの現場で「花瓶の花」を映画にしてほしいっていう話をもらって作ったんです。「アズミ・ハルコ」は、アラサー女性が行方不明になるんだけれども、20歳の女の子たちがグラフィティで街中にバーっと顔を拡散させて、いないのに存在が広がっていくっていうサスペンスになっています。こちらは長編映画です。


——短編映画と長編映画、両方手掛けて感じたことは?


松居監督)長編映画が持久走、短編映画は短距離走みたいな感じですかね。


——撮影のときに気をつけることは?


松居監督)「アズミ・ハルコ」に関していうと、映像的、映画的であるかどうかっていうことですかね。存在が消えているのに存在が拡散しているっていうのは、視覚的でやったほうがグッとくると思って、作りました。


——「アズミ・ハルコ」は、原作は読んでいたんですか?


松居監督)そうですね。ちょうど作品の主人公が28歳で、原作が出たとき僕も蒼井さんも、プロデューサーも28歳で。コレはやらなくちゃいけないんじゃないかと思って作りました。


■原作の実写映画化で大切にすること「自分のイメージなんてつまらない」

——原作を映画化する時、何が難しい?


松居監督)お金が集まるかどうかですかね…


——原作に熱がありすぎると、これはこれで厄介なものだと思うんですよね。これを映像化してくれっていうのと、好きなものを映像化するのって違うじゃないですか。


松居監督)(うなずきながら)“職人”にはなっちゃダメだなと思って。一緒にやるメンバーも好きな人とかやりたいと思う人と一緒にやるので、そういう意味では“仕事”にしたくないなと思って。


——映画製作には、予算との戦いもありますよね。


松居監督)0時超えないようにしようと思って。タクシー代かかるから。やっている時は考えないようにしますが、ずっと決め続けないといけないので、できないなら手段を変えてうまくやろうとか。


——映画化したいと思って、諦めざるを得なかったものはありますか?


松居監督)権利がとれないものとかはありますね。難しいところですけどね。


——短編映画と長編映画、役者に求めるものも違ったりするんですか?


松居監督)長編映画だと撮影前にリハーサルというか、芝居とかを合わせられる時間があって、作品のイメージをつかんで現場に入ることができるんですけど、短編映画だと日程も短いので、準備ができないんです。だからその時々で伝えることとか、台本だけでわかりやすいようにしないと、とかは意識しますね。


——頭の中にあるものと、いざ撮影したもの、乖離(かいり)があったときにどちらを優先する?


松居監督)結果です。自分のイメージなんて本当につまらないと思っているんですよ。イメージを持ちすぎるとどんどん頭が固くなって、周りのアイデアも全然聞けなくなっちゃうので。でもどこかしらで無意識に「ここは」って守るところが、勝手に出てくる気はしているので、「これやんなきゃ」っていうのはないですね。

ショートショートは“若手育成”というコンセプトもある。「松居監督のような若い監督が生まれてくると、短編映画界も盛り上がりますね?」という問いかけに、高橋氏は、「そうですね。第二、第三の松居さんのような方が出たらなと思っています」と大きく頷いていた。


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