ポーランド、中絶禁止法案への反対デモ発生 現地の人はどう捉えているのか

ポーランドで3日、中絶をほぼ全面的に禁止する法案に反対する女性らおよそ2000人が参加するデモが発生した。ポーランドで行われた他、ヨーロッパの各地でもデモに賛同する人々が同様の行動を起こした。

ポーランドの中絶の条件、現行法では「出産で母体に生命の危険がある場合や性犯罪などによる妊娠を除き、人工妊娠中絶を禁止する」で違反すれば最高で禁錮2年。だが、改正案では「出産で母体に生命の危険がある場合を除き人口妊娠中絶を禁止する」となり、違反すれば最高で禁錮5年となる。つまり、性犯罪を受けた結果妊娠をしたとしても中絶ができないということなのである。

これについて、6日に放送された『AbemaPrime』(AbemaTV)には、日本家族計画協会理事長の北村邦夫氏が出演。今回の法改正については「大変驚きました」と率直な感想をまずは述べた。

今回ポーランドでこのような法改正があったわけだが、元々他のヨーロッパ諸国と比べ、厳しい基準が存在する。北村氏はカトリックと中絶の関係についてこう語る。

「僕はイタリアで産婦人科に行き、興味を持ったのは、中絶をする場面においてバチカンが大きな影響力を持っていることです。イタリアなどでは避妊に対して厳しかったですが、国民投票により、中絶の権利を獲得したのです。

その一方、自然な受胎調節法は大丈夫なのです。基礎体温を測るとかをしなくてはならない。要するに、子宮の入り口から頚管粘液というものが出ます。それを推しはかる。それが出ると排卵が近いため、そうした妊娠をしやすい時は、性行為をしない。このような『周期的禁欲法』はOKなのです」

そして、北村氏によると、「世界で初めて中絶を完全合法とは言えないものの法律によって定めたのは1940年の日本」だという。それは「国民優生法」が影響しているという。

この日のコメンテーターを務めた日経BP社の柳瀬博一氏が「精神疾患、ハンセン病等の子供が生まれる可能性については中絶していいですよ、という優生法ですね」とコメントした。

こうした動きとは逆の動きがポーランドではできているが、現地の人はどう捉えているのか。ワルシャワ日本語学校校長の女性、ザハイ・モニカ氏が中継で登場。まずは現地の人々の支持の割合を聞いた。

「中絶を完全に禁止するというのは、国民のたった6%しか支持されていません。それに対して、今のままでいいと考える人が7割ぐらい。今の政権が通そうとした法案は社会に支持されていません」

それなのになぜ、今の政府がこの法律を進めようとしているのかについては、現政権が野党だった時、保守派の支持を獲得すべく、こうした法案を通そうとしていたことが尾を引いているという。いざ、政権を獲得したら保守派から昔交わした約束を守るよう要求されたということだ。

「問題になっているのは、同時に2つの法案が審議入りしたのですね。母親が求めれば、11週までは中絶ができるという法案も出たのです。これが同時に起きて、国民の反対が出ました。今回のデモは、ポーランドの女優のFacebookの呼びかけによるものです。1週間で10万人のデモが起きた。それなりに反対の声が多かった。実際に参加したのは若い女性が多かったですが、男性もいました。国民の意識はすごく高いです」

こうしたことから、政権支持率は37%ぐらいから30%に低下。よりリベラルな政党の支持率が上がり、今回の法改正はやめようという話が6日には浮上したという。ザハイ氏によると、支持率が落ちることを怖れ、政権側は改正を強行しないのでは、との見通しを示した。


人工中絶をなくすことで人口を増やしたいという意図も透けて見えるが、柳瀬氏は「政治的コントロールではないでしょうか。票田とかそういったところもある。カトリックとの票の関係もある。人口を増やしたいとかそういうシンプルな話ではない」と、中絶は政治的な意図をもって今回イシューになったのでは、との見通しを語った。


また、北村氏は、「妊娠は女性の体にしか起こらない。(避妊具を使うなど)避妊を男性任せになっている風潮を変えたいということで戦い続けている」と締めた。


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