次期国連事務総長グテーレス氏 難民援助のためにエコノミーに乗る人物

2016年いっぱいで任期を終える国連の潘基文(ぱんぎむん)事務総長の後継者に、ポルトガルのアントニオ・グテーレス元首相が就任する見通しとなった。13人が立候補したが、15カ国中、13の国が同氏を支持。アントニオ・グテーレス氏は国連難民高等弁務官として10年にわたって難民問題に携わった経験を持つ。国連事務総長就任は1月1日の予定だ。


そんなグテーレス氏の人物像について、AbemaTVの報道番組『AbemaPrime』では6日、国連広報センター所長でかつてグテーレス氏と仕事をしていた根本かおる氏が出演し、解説した。そもそも、国連事務総長が一体とは一体どんな仕事なのか?

「国連事務総長は世界で最も難しい仕事と言われています。『セクレタリージェネラル』とも言いますが、『セクレタリー(秘書)』と『ジェネラル(将軍)』その両方の意味合いを兼ね備えた仕事です。

国連のシステムというものは、大きな官僚システムであり、官僚で支えている行政のトップですね。それともう一つは、国連に与えられている目的で一番大切なのは国際社会の平和と安全です。国連加盟国に調停とかを提案します。国連のモラルや権威をベースにして『これはちょっといかがなものか?』と主張したりする。それが牙を持っているような『ジェネラル」としての側面です」(根本氏)


つまり、調整役でありつつも、問題解決のためにグッと前に進める力もある役職ということだ。そして、その人物像についてはこう語る。

「私は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員時代に彼の下で働いたことがあります。グテーレスさんは、ポルトガル首相を6年半務めました。そのうえで、UNHCRのトップになった。彼はとにかくタフです。いつもエコノミークラスで世界中を飛び回っています。これは何を意味するかというと、できるだけ多くのお金を援助現場の難民に使ってほしいと考え、自分の快適さは関係ないのですね。プラグマティック(実利的)な人です。

以前、ネパールの難民キャンプを統括する時にやってきましたが、空港に到着するとすぐにブリーフ(状況説明)を求めました。『とにかくここの地の難民はどうなってるの? 説明してくれ』と言い、ずっと質問をしています。キャンプに着くと、難民と意気投合。彼らと共感し、彼らを支えるメッセージを出す。今回の選挙では、候補の公開面接をして、公開討論会もしました。この時に抜群の安定感を出したのがグテーレスさん。歴代の事務総長は男性ばかりでした。でも、人口の半分は女性なので、そろそろ女性の事務総長が出てもいいのでは、…といった雰囲気になったのですね。13人の候補者中7人が女性でしたが、その中でもグテーレスさんが勝ちました」


根本氏によると、グテーレス氏が今回評価されたのは、世界共通の課題として難民問題があるからだという。第二次世界大戦以来、もっとも多い難民がいるのが現在。国連が取り組むことの多い人道問題だけでなく、世界の政治問題になっている状況だ。難民問題に精通したグテーレス氏は、この件で政治的な解決を見出すのに一番有効な立場が、国連事務総長の立場だ、と考え立候補したそうだ。「人道援助は絆創膏のようなもの(応急処置)でしかなく、根本的解決には、政治的解決が必要だと言いました」(根本氏)とのこと。

そして5年半の長きにわたって続くシリア紛争など、問題は山積しているが、グテーレス氏が適任であることについて根本氏はこう語る。

「紛争当事者が、平和が大切だという気持ちにならないとダメです。そのためには、触媒や架け橋となれるような信頼され、『この人だったら自分たちの利益を損なうことなく何とか解決してくれるのでは』と思われる人物でなくてはいけません」


なお、潘基文氏の功績についても根本氏は言及したが、地球温暖化に歯止めをかけるパリ協定の締結や、2030年までに貧しさをなくそうという目標設定をまとめ上げた点を挙げた。


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