グルメ評価サイトは信用できる?飲食店経営者やフードジャーナリストが徹底討論


今月7日、あるワインバルオーナーが、Twitterに、「全店の食べログスコアがいきなり3.0にリセット。そこに担当営業から連絡が来て『食べログのネット予約を使ってもらわないと検索の優先順位を落とします』」と書き込んだことが、波紋を呼んだ。食べログに利益が入るネット予約を使わないと、店の点数が下げられるという疑惑を匂わせたが、食べログ側は、「サービスの契約内容などを理由に、点数を変更するような事実は一切ない」と意図的な操作を否定。



■大きな影響力をもつグルメ評価サイト

食べログによれば、点数は投稿された採点の単純平均ではなく、投稿者の「食通度合い」で影響度を変えるなど、独自の方法で算出しており、9月6日に全店を対象に算出方法を見直したことによるもので、他にも点数が変わった店はあるという。

この騒動で、運営会社カカクコムの株価が急落。翌日には反発して戻したものの、あらためて、食べログの影響力の大きさが認知された。

MMD研究所調べによると、グルメ評価サイトを利用したことがある人は、80%以上。「Yahoo!意識調査の結果」では、「グルメ評価サイト、必要だと思う?」という質問でアンケートを募集。総数4万1005票が集まった結果「必要」は1万1193票で27.3%、「不必要」は2万5578票で62.4%だった。


■グルメ情報サイト、フードジャーナリストや飲食店経営者はどう見るか

「AbemaPrime」番組内、『喧嘩上等!バトルスタジアム!!』では、大きな影響力をもつようになっている、こうした「グルメ評価サイト」について、信用できるかどうかが議論された。

コメンテーターの犬山紙子氏、慶應大学特任講師・若新雄純氏、元NMB48の山田菜々、タレントの蒼井そら、池田ショコラに加え、論客は、以下の4人。


1)TVレポートや雑誌記事の執筆などで取材した飲食店の軒数は8500軒を超える、フードジャーナリスト、はんつ遠藤(はんつえんどう)氏


2)理論より実践、システムよりマインドを理念に新聞編集のほか、業務用食材の開発も手掛ける、『日食外食レストラン新聞』編集長・岡安秀一(おかやすしゅういち)氏


3)グラニースミスなどの有名飲食店5ブランド9店舗を経営する、株式会社ファンゴー代表取締役・関俊一郎(せきしゅんいちろう)氏


4)ネット・科学技術など幅広い分野で、各種メディアへの寄稿・出演など多数、ITジャーナリスト・井上トシユキ(いのうえとしゆき)氏


■「信用できる」派

蒼井「口コミをみて、評価が高いところに実際行くと美味しいので、ある程度信用できる」


山田「悪いことも書いてあるので、信じている」


はんつ氏「取材でうかがうことが多く、上の点数に行くと美味しいところが多い。首都圏はいいですね。書いてる人の人数にもよるのかなとは思いますけどね」


岡安氏「評価サイトというものは、その人の好き嫌いを書き込んでいるサイト。今ではどこ行っても、美味しいものにあふれている。そうなると食べた人の主観で判断される。ということは信用できる」


若新氏「そもそも食べ物の美味しさって完璧に評価できない。あいまいなもの」


■「信用できない」意見


池田「グルメ“情報”サイトとしては利用する。お店のHPよりも見やすかったりするので。評価や点数は気にしていない」


井上氏「所詮は主観。味覚は一般化できないもの。どこのだれが書いたのかわからないというサイトであれば、わざと悪く書くこともできる。ということになれば基本信用できない」


■両方

関氏「“落書き”でも参考になる。僕はありがたく使っている」


犬山氏「自分自身ハズレをひいてきたという経験がある。ただ、メニュー情報(など)は信用できる部分もある。二次情報として使う時はある」


使い方は三者三様だが、若新氏は、「食べログに関していえば、このアカウントが書いていることなら載せても大丈夫だということを厳しくみているそうです。だから簡単に書き込むことは難しい」と、書いている人は信頼できる属性をもっていると指摘。しかし井上氏は、「問題があってから、改良はしているが、システム的に偽装しづらいということと、(書き込む)内容は別問題。ルールを熟知していれば、属性の“信用性”は突破できる」と反論する。


■“自分はグルメ”自己顕示欲の場? 井上トシユキ氏「ネットの性質が変わってきた」

若新氏は、そもそも書かれていることは主観であり、味分析のサイトではないことを強調し、はんつ氏も「結局たくさんの人が書いたところなら信用できるっていう話。総合的な評価サイトよりも、ラーメンならラーメンに特化したサイトのほうが信憑性がある。誰が言っているかということが大事」と言う。


“誰が言うか”について、関氏は、「“自分はこれだけグルメなんだよ”っていう自己顕示欲がある人もいる」ことに言及。これを受け、井上氏は「ネットでは、匿名だからこそ本音が書けるという考えがベースにあるが、最近は、バイアスをかけやすくなるという手法が出てきた。今のネットはもう昔のような牧歌的な時代ではなく、お金で操作できてしまう時代。もともとはしがらみのない、一般の生の意見ということですごく価値があったが、変質してきたといえる」と、ネットの性質が変わってきたと話した。


■「食べる前に“頭で”食べる」お店に行く前に調べすぎる現代人

また岡安氏は、「(最近は)食べる前に“頭で食べる”っていう表現がある。食べて美味しいというよりも、事前に調べて、そこでどれだけ美味しいと感じられるかどうかという判断をする人が増えている。“娯楽を演出しているサイト”ということとわかったうえで、2、3割はサクラだと思い、残りの7割の声を読み解く力が必要になってくる」という。この“頭で食べる”にはスタジオ全員がうなずいており、やはり“情報”としてのグルメサイトはもはや必須の時代であることをうかがわせた。


■情報は有用。ただし「味評価」のサイトではないことを認識しておく


議論のまとめとして、小籔は、「お店は、黙って立ってる芸人みたいなもの。ボロカス言われても、自ら“ちゃうねん、ちゃうねん”って(反論を)言えない」とお店の苦悩にも理解を示したうえで、「私が好きなお寿司屋さん、最初は非常に評価が高かった。でもそのうち乱高下した。コメントみたら、値段が高かったと(いうことで低評価にしているものがあった)。なので、(住所、営業時間、メニューなどの)情報はみる。評価はみない。『うすめで点数はみる』ということにしましょう」と結論づけた。


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