「もんじゅ」廃炉方針も、核燃料サイクル政策は継続する理由

9月23日、AbemaTV『AbemaPrime』では、福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」について、政府が原子力関係閣僚会議を開き、廃炉を含めた見直しを行う考えを表明したことを取り上げ、今後の原子力政策はどうなるのか言及した。

1991年に完成した「もんじゅ」は原発の使用済み核燃料を再処理して、プルトニウムなどを取り出し、それを燃料として使う、核燃料サイクルの研究用原子炉だ。1995年に発電を開始したが、その4ヶ月後、冷却材のナトリウムが漏れる事故が発生。この事故の虚偽報告や映像隠しが相次ぎ、1997年、国が運転停止命令を出した。2010年に運転が再開されたが、装置落下事故で再び停止した。稼働から22年で実働はわずか250日。つぎ込まれた国費は1兆円を超え、維持費は年間約200億円にものぼる。廃炉にする場合でも最低でも3000億円がかかるという。

政府の中では、「もんじゅ」の廃炉についての議論が常にくすぶっていたという。そして、9月21日、廃炉も含め検討するという方針が決まった。これを受けて福井県の西川知事は「政府の無責任極まりない対応であり、一種の裏切りと思われても仕方のない状況だ」と、不満をあらわにした。

日本のエネルギー政策の根幹とされる「核燃料サイクル」。原発で使った核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の要だった「もんじゅ」が廃炉となれば、国が進める核燃料サイクル政策は見直しが迫られる事態になりかねない。しかし、21日の閣僚会議後、世耕経済産業大臣は「核燃料サイクル政策を維持するため官民による『高速炉開発会議』を新たに立ち上げる」と発言した。

長年、原子力問題や核兵器問題の取材を続けている共同通信編集委員の太田昌克さんは「福島の原発事故以降、多くの国民が反原発を目指している中で、もんじゅの廃炉は大きい政策判断である」としながらも、世耕経済産業大臣が公表した資料に関し、「高速増殖炉は止めるけれども、高速炉をこれからやる、核燃料サイクルを続けるということが謳われており、日本の原子力政策の延命を計っている姿勢が露骨に示されている」と指摘。「核兵器に転用できるプルトニウムを作る技術を持っていれば、外国に対して抑止力になる、と考えている政治家もいる」と発言した。

国際NGO団体「A SEED JAPAN」の事務局長で、若い世代に日本の原子力政策の疑問点などを発信し続けている西島香織さんは「これ以上未来の世代にツケを回せない、と危機感を募らせている」と語り、「私たちの世代は原発ありきの世の中に生まれてきたので、都市と地方がお互い協力し合い、自立できるような社会になれば、核燃料サイクルもいらなくなるのでは」とコメントした。

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