日本でも、圧力でメディアに報道規制がかかることはあるのか

AbemaTV『AbemaPrime』で21日、来月横浜で公開される映画「ダイビング・ベル/セウォル号の真実」が紹介された。



2014年4月、全長146メートルの旅客船「セウォル号」が、韓国南部の沖合で沈没。死者295人、行方不明者9人という韓国史上最大の海難事故となった。乗客を救助せず脱出したとされる船長だったイ被告には、殺人罪で無期懲役の判決が下されている。

映画は、事故発生から15日間の“知られざる真実”を解き明かそうとしたドキュメンタリー。韓国史上最大の海難事故に隠れた政府とメディアの姿。映画を通し、見えてきたものを、アン・ヘリョン監督に迫る。


■日本でも、圧力でメディアに報道規制がかかることはあるのか


この事件は韓国では政府からの圧力でメディアへの報道規制がかかったという。日本でも同様のケースはあるのか?という問いに水曜レギュラーのBuzzFeed Japan・古田大輔氏は「ない」としながらも、現場記者には葛藤もあるという。


「政府や大企業というのはものすごくたくさんの情報をもっていて、そのうちのごく一部しか開示しない。自分たちにとって都合の悪い情報は言わないようにすると。そうすると、取材する側は、相手にとって都合のいいものしか書けず、結果的にコントロールされることはあると思う。

大切なのは、記者会見で発表されること以上のものを取材すること。そうしないと情報コントロールのなかに飲まれてしまう。ただし組織になると難しいのは、確認をすごく求められること。一人でやっていたら、それを書けば良いけれど、組織にいると、そういうわけにはいかない。自分と違う情報をとってくる記者もいる。そうすると矛盾を調べ始めて、すぐに記事を出せなくなるということはある。

深刻なニュースであればあるほど、間違った報道はできない。一刻を争うスピードで状況が変わるなか、独自に調べて記事を書くということは難しい。そのため、会見で言われたことを記事化することになる。それに対する打開策はなかなかみつからず、(自分のなかに)矛盾が生じることはある」(古田氏)


■釜山国際映画祭で上映後、委員長は辞任に追い込まれた


実は、事件が起きた2014年に、この映画は、釜山国際映画祭で上映された。釜山市は上映中止を求めたが、当時の映画祭委員長は上映に踏み切った。その後、その委員長は辞任に追い込まれたのだ。そして、“政治的介入がある”と2016年の映画祭へのボイコットを宣言。

アン監督「委員長は尊敬する。釜山市は、映画を観てもいないのに判断した。映画人たちにとって大切なことは、表現の自由と、映画祭の独立性。映画人としていろいろな表現をしたものを上映して、判断は国民に委ねる。政治的な介入があったことは問題だと思う」


表現の自由と、報道のあり方、そして情報のうけとめ方を考えさせられる映画「ダイビング・ベル」は10月1日から、横浜のシネマ・ジャック&ベティで公開される。


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