韓国史上最大の海難事故「セウォル号事故」報道と「福島原発事故」報道の共通性

AbemaTV『AbemaPrime』で21日、来月横浜で公開される映画「ダイビング・ベル/セウォル号の真実」が紹介された。

2014年4月、全長146メートルの旅客船「セウォル号」が、韓国南部の沖合で沈没。死者295人、行方不明者9人という韓国史上最大の海難事故となった。乗客を救助せず脱出したとされる船長だったイ被告には、殺人罪で無期懲役の判決が下されている。

映画は、事故発生から15日間の“知られざる真実”を解き明かそうとしたドキュメンタリー。登場するのは、インターネットで事件の様子を生放送したイ・サンホ記者と告発ニュースのニュース班。そして、映画のカギを握るのが、救難装置「ダイビング・ベル」と、その装置を投入しようとした、海洋探索に25年の経験を持つ会社を経営するイ・ジョンイン氏だ。

より長く潜水することが可能なため、一刻を争う救助に役立つ救難装置「ダイビング・ベル」を、海洋警察はすぐには受け入れなかった。これに納得しなかったのが、取材をしていたイ・サンホ記者だった。

「ダイビング・ベル」を使わなかった理由について、イ・ジョヨン海洋水産部長官は、「ベルを使えば我々のダイバーの安全が保証できない」と説明していた。だがそこには、政府からの圧力があったという。

韓国史上最大の海難事故に隠れた政府とメディアの姿。映画を通し、見えてきたものを、アン・ヘリョン監督が語る。

——事故が起きて、マスコミがニュースを伝える様子をみて、何を感じたのでしょうか。

アン監督:海の中で起こった事故で、ジャーナリストやカメラが入ることが難しかった。日本でいうと、福島原発のようなイメージ。事故関連のことは東京電力が発表することだけだったが、ウソだということがわかった。セウォル号事故のときも、記者たちは海洋警察の発表することを信じ、書くしかできない状態だった。

——救難装置のダイビング・ベルは、「(現場付近は)潮の流れが早いため、使っても無意味。不向き」だとして、一度は海洋警察に断られた、とのことですが、(本当に)無理だという可能性はなかったのでしょうか。

アン監督:ダイビング・ベルは、そのまま水に入るものではなく、ヒモでエレベーターのようにして入る装置なので、潮の流れとは関係ない。

そもそも、海洋警察のコントロール体制に問題があった。ダイバーに対しても、誰が入って次は誰、というようなこともできなかった。ダイビング・ベルを使えば、水の中で起きていることをすべてさらけ出すことになり、海洋警察はそれに反対した。もっと早くカメラも入って、水の中の状態をみながら救助活動ができれば、もう少しいい結果が出ていたかもしれない。

——なぜ、国が一つになって救助に向かうことができなかったのでしょうか。

アン監督:現場をコントロールする民間会社が、人を救命する仕事ではなく、沈没した船を引き上げることが専門の会社だったということもある。

——結局、ダイビング・ベルは失敗に終わっていますが。

アン監督:政府が、世論を操作したかもしれない。政府の関係者が、自分の責任から逃れるためだけに「ダイビング・ベルに問題がある」とした可能性がある。大統領府からKBSに対して通達もあったことがわかっている。セウォル号事故の報道操作は、国民の安全ではなくて、政権の安全のためにやったことかもしれない。

映画「ダイビング・ベル」は10月1日から、横浜のシネマ・ジャック&ベティで公開。

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