パラリンピックで初の金メダルゼロ、原因は「日本の国策不足」? 国をあげた協力体制が必要か

リオパラリンピックが18日をもって終了したが、今回日本は史上最高の数となるメダル24個を獲得。2012年ロンドン大会の16個を上回った。ただし、ロンドンでは5個の金メダルを獲得したが、今回は金メダルはゼロ、銀メダルが10、銅メダルが14という結果になった。日本が金メダル獲得ゼロに終わったのは1964年東京大会に初参加してから初めてのこと。



今回の結果について、北京パラリンピックの車いす陸上400mT52 と800mT52で金メダルを獲得し、ロンドンパラリンピック400mT52で銀メダルを獲得した伊藤智也氏がAbemaTVの報道番組『AbemaPrime』にSkypeで登場。今回の結果に意見した。



「残念な結果ではありますが、皆さんの耳によく残った言葉は『日本記録』『自己新』ではないでしょうか。過去以上にたくさん出たのですが、それがメダルにつながらなかった。個人としての能力は高くなったが、世界との差がついたのですね。つまり『個』として頑張ったか、『国策』として頑張ったかの差が出ました」



これには、同番組にスタジオゲストとして登場した東京車いすバスケットボール連盟会長・玉川敏彦氏も同意した。「国策がかなり不足していたのかなと思いました。練習会場の確保が難しいのですよね。体育館棟は傷がつくということで拒否されたりもしました」と国をあげた協力体制になっていない事情を説明した。

玉川氏によると長年東京体育館で大会をやっているものの、クレームはないという。その一方で、車いすバスケットボールに関し、中国はナショナルトレーニングセンターが3か所あるそうだ。宿泊、食事ができてコートがあって合宿をしながら練習できる環境が存在する。玉川氏はこうしたインフラや意識面での改善に加え、人材育成を強化していかなくてはならないと述べた。



また、番組レギュラーコメンテーターで8bitnews主宰の堀潤氏は、日本財団のようにパラリンピックを支援している団体はあるものの、そこで働いている担当者には常勤が少ない状況なのだとか。本業があったうえで、「ヘルプ」としてこの支援活動をしているというのだ。そのため、パラリンピックを盛り上げるプロ職員や財源の整備が必要だと述べた。現在はあくまでも現場の人々の「思い」で競技が支えられているため、ここをサポートするのが第一歩だと考えているようだ。

玉川氏も「世界の中ではそういう環境は聞かないですよね。目標に向かって自己犠牲に励んでいるのが現状です。生活のリスクがあり、最近ようやく企業の支援を受ける選手が何人か出てきた。ただ、仕事がメインなので練習ができないという人もいます」と世界各国と比較し、まだ薄い日本の協力体制の現状を報告した。


その一方で、伊藤氏によると「集中と選択」も重要だそうだ。中国は広い視野を持って様々な競技に参戦し、圧倒的1位の金107、銀81、銅51の合計239個を獲得。2位のイギリスの64・39・44の合計147を大きく上回った。とはいっても新興国でありながらも確実に金メダルを取っている国はある。たとえばケニア勢はあくまでも長距離の陸上に絞り、限りある財源を金メダルに向かって使う。これは国の作戦であり、予算が多い=国策、ではないと伊藤氏は考えている。


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