「36協定」は過剰な残業を正当化する側面も その問題点とは?

日本の労働者は労働時間が長く、過労死の問題も時に発生するが、その際に問題となってくるのが「36協定」だ。現在の労働基準法では、労働時間は原則1日8時間以内、1週間40時間を上限としている。しかし、「36協定」こと労働基準法第36条は、合意があれば上限なく残業できることになり、過重な労働を強いることとなっている。下請けは仕事を押しつけられ、労働者も残業代が減ると困るという状況も長時間労働に拍車をかけている。



12日に放送された『AbemaPrime』(AbemaTV)では、労働問題に詳しい刈谷龍太弁護士が登場し、この問題を解説した。



番組ではまずMCの村本大輔(ウーマンラッシュアワー)が、芸人とサラリーマンの違いについて聞いた。村本は芸人の場合は3か月ぶっ続けで仕事をすることもあるなどと語ったが、刈谷氏はサラリーマンと芸人は状況が異なると指摘。芸人の場合は、定時に仕事に行くなどの雇用形態ではないため、必ずしも労働基準法が適用されるわけではないと指摘した。さらに、村本は刈谷氏に続けてこう質問。


「欧米では『KAROSHI』(過労死)で通っています。日本人がいかに、働かされ続けて死んだりもするかの現れです。ただ、日本の労働時間は世界15位だそうで、働いている時間がむちゃくちゃ多くないのに過労死とかブラック企業という言葉があるのはなぜですか?」

刈谷氏によると、世界15位というのも必ずしも正しくなく、長時間働かせている会社の中には、タイムカードを定時に押させ、サービス残業をさせている会社があるのだとか。アンケートを取ると、表向きは、ちゃんと働いていることになっているようだ。


この日のコメンテーター・8bitNewsの堀潤氏は自身のNHK時代の経験をこう語る。



「僕も会社員時代はありました。上司が部下を管理できていないと、それが上司のマイナスになります。部下も上司の失点にしたくない。この時間からこの時間までしか働いていないという形になる勤務表を作っていたのですね。一回労働基準監督署から『堀さんは北海道で仕事した後、世田谷で仕事をしたのを見えましたがどうやって管理してるんですか?』と言われたことがあります。とはいっても、NHKの場合は、帳尻合わせるために、長期休暇をまとめて取って年間でトントンにしようか、ということをやっています。NHKみたいな大きな組織だからできますが、中小だったらそういったこともできないですよね」


また、村本は朝から晩まで3か月ぶっ続けで働いたこともあるようだが、その仕事がイヤだとは思わなかったようだ。こうした労働問題において「やりたい仕事だからOK」「やりたくない仕事だからNG」といった基準はあるのかについて刈谷氏に聞いた。



すると、刈谷氏は労働者のストレスも影響しているという。厚労省が定める過労死のラインが月80時間や100時間の残業だという。本人がやりたくないことを強制的にやらされていることと、自ら進んでやっていることでは、体の負担は変わるため、長時間労働だけで線引きできるのかどうかは一概には言えないという。


番組キャスターの小松靖アナは「36協定を結んだからといって際限なく仕事できるものではありません。声をあげられるシステムが必要だなってことですね」と語ると刈谷氏は「企業側が悪用しないようにするべき。36協定があるから、残業代払わないでいい、みたいなことを言う。働く人が『これ以上働く必要ない』ということを主張するべきです」と労働者が各々の権利を認識し異議を呈すことが重要だと述べた。


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