イタリア人は激怒 仏紙「シャルリー」地震風刺画問題、各国のとらえ方は?

昨年、イスラム教を冒涜しているとされる風刺画を掲載し、関係者12人が殺害されたフランスの週刊新聞「シャルリー・エブド」。同紙がこの度掲載した、イタリア中部で発生した約300人が亡くなった地震に対する風刺画が波紋を呼んだ。風刺画では、「イタリア風の地震」と題され、血まみれになった男性が「トマトソースのペンネ」と書かれ、顔面が大きく腫れた女性が「ペンネのグラタン」と現され、潰れた建物とそこに挟まれた人々を「ラザニア」と表現した。



これに対し、被災地の町長は「これは犠牲者やイタリアに対する侮辱だ」と述べるなど、批判が高まっている。昨年同紙関係者12人が犠牲になった際は「私はシャルリー」というプラカードを掲げた人々がフランス各地で行進を行うなど、「表現の自由」のシンボル的存在になったが、今回は一転して批判を浴びた。



5日に放送された『AbemaPrime』(AbemaTV)では、この報道を受け、イタリア出身の料理研究家・ベリッシモ・フランチェスコ氏が意見。

「ひどい話で考えられない。今回の震災で295人が亡くなられて、まだ色々現地で大変。片付けが大変だったり、家がなくなった人もいる。同じ経験が日本人はあるため心が近いと思います。だから、今回のフランスの新聞にはびっくりしました。あり得ないニュースです……。フランス人の友達も、こういうのには反対する。この週刊誌、正直三流ですね。書いた人は、ハートも脳味噌も小さいヤツですね。こんなの自分の家族がなくなったら描くか? と聞きたい。被災したアマトリーチェは、パスタ料理の『アマトリチャーナ』など料理で有名な村。料理と地震に例えて笑いを取ろうとしていますが、笑う人はいないと思う」と怒り心頭だ。



一方、フランス出身者は別の見方があるようだ。アデイト氏は、フランスの風刺文化についてこう解説するとともに、今回の風刺画の意図が「建築の安全」にあると説明。

「イタリアの地震は悲しいこと。イタリアに心からすみませんですけど、(批判する)人々の考え方は軽いのでは。風刺は、人を考えさせるために作られていて、笑うためではないです。今回の絵にしても、人が亡くなっていることを描いていますが、建築会社が建物をちゃんと作ってないことを批判しているのです。ラザニアみたいに倒れてしまった。学校は税金で作られているのにがれきの山になった。イタリアの色々な建物が耐震になっていないことをフランスの人は考えさせたかったのです。

今回、もう一つの風刺画があります。これに描いてあるのは、『あなたたちの家を造るのは、シャルリー・エブドではなくマフィアです』とあり、イタリアのマフィアを疑問視しています。そして税金泥棒の建築会社が建物を作ったことを批判しているのです」


これに対し、番組MCの村本大輔(ウーマンラッシュアワー)は、「画家が耐震のことを考えさせたいんだったら、建てた人を侮辱すればいいのに。傷ついた人を侮辱する必要あったのですか?」と意見。

これに対し、アデイト氏は「あくまでも侮辱はしてない。全世界、話題になるためにやったものですが、個人攻撃はしてない。たとえば、亡くなった人をそのままそっくりには書いていないです。1番のポイントは、ラザニアみたいな描写(で耐震性の問題を指摘したこと)」と語り、風刺画にも役割があったと改めて訴えた。


▪︎風刺画描くにしても「今」このタイミングか?


同じくフランス人のル・ギャル・アルノ氏は風刺画について「私は評価はしたくない。笑うことはセラピーとして大事。ただ、この風刺画は面白くないと私は思う。面白いと考えるフランス人もいるかもしれないが……」と述べた。前出・ベリッシモ氏も、批判をするのであれば、直接的に「イタリアにこんな問題がありますよ、と言えばよかった」と語った。


こうした意見に対し、アデイト氏はフランスの風刺画が「全世界の問題」を取り上げていると指摘する。「フランス人としてどう思うか」というよりも、世界的な話をしているため、フランス人の視点だけではないというのだ。だからこそイスラム教を取り上げたりすると述べた。この後で、番組キャスターの小松靖アナは「(今回の表現が)いいとは思わないけど、伝えるべきことがあるってことですね。あくまでも建築の問題について指摘したかったということですね」とシャルリー・エブドの意図についてフォローした。



また、イタリア人のマルテイーナ・シャリ・マジジョーニ氏も番組に出演。今回の件についてこう語った。

「最初は怒りましたが、新聞の歴史を見ると軽い気持ちで書いているわけではないと思いました。地震が起こったばかりなので、敏感でこういう反応になったのではないでしょうか。とにかく『今』じゃないんですよね。亡くなってる人が多過ぎて……。今、マフィアの問題ではなく、亡くなってる人の家族とかに、ちゃんと気持ちを伝えるべきではないでしょうか」


また、ベリッシモ氏は「イタリアには何百年も前からある古い建物が多いです。これらをキープして、耐震、免震するには大変な金額が必要。複雑な問題があります。国内問題を知らない、海外の人にそういう風に描かれる意味が分からない」と最後までシャルリー・エブドの風刺画に強い違和感を覚えていた。


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