クロマグロ新たな漁獲規制 日本が難色を示し、合意見送り

絶滅が危惧される太平洋クロマグロの資源管理について話し合う国際会議が、本日9月2日に閉幕した。

太平洋クロマグロは高級寿司ネタとして人気で、幼魚の乱獲等により資源が激減。親の魚の資源量は1961年のおよそ16万tから2014年にはおよそ1万7000tと、1割程度に減少し、絶滅が危惧されている。

資源の枯渇を防ぐため、先月29日から日本や中国、アメリカ等、10の国と地域が参加する中西部太平洋マグロ類委員会の会議が福岡市で開かれていた。

会議では、クロマグロの資源量が大幅に減った場合に発動する緊急の漁獲規制措置について話し合われていた。

日本は1歳未満のクロマグロの量が3年続けて過去最低水準だった場合、緊急の漁獲規制を2年間実施することを提案した。しかしアメリカがその期間や基準について科学的根拠がないとして反論し、提案は見送られた。一方アメリカが提案した長期目標の設定には日本が難色を示し、結局会議では具体的な合意案は形成されることなく終わった。

マグロの漁獲規制について、去年日本は30kg未満の幼魚の漁獲量を抑える規制を新たに導入している。

日本人が好きな魚の資源悪化はサバにも及んでいる。太平洋マサバの漁獲量はピークだった1978年のおよそ143万tに対し2014年はおよそ27万tと、2割をきった。

資源減少のなか、さらなる危惧を抱かせる事態も。北太平洋の航海上での中国によるサバの漁獲量が一昨年に比べ、去年は5倍以上に急増したことである。漁船の数も20隻から80隻まで増やしている。

先月24日には、このサバ漁をめぐった国際会議が開かれた。漁船数の規制について中国側が反発するなか、条件つきで漁船の数を増やさないよう各国が努力する方針で合意した。

どうしてこのような問題が発生しているのか、どう改善するべきなのか、これからどうなっていくのか、といったところを知るため、元水産庁参事官の小松正之さんと築地魚河岸「鈴与」三代目にして、消費者に対して漁業関連の情報発信をしている生田與克氏に話を聞いた。

まず、なぜ会議で日本とアメリカはお互いの提案に納得がいかなかったのか。

小松さんは「現在のマグロの減少率を考えると、もはや禁漁しなくてはならない状況である。それにも関わらず、日本の提案は言ってしまえば3年間も見守るだけの施策であり、現状は急を要するということを考慮していない。アメリカの提案のほうがよほど現状を鑑みている」と、指摘した。

生田さんは「漁業に関して日本は後進国であり、理解のある人が少ない。役人も短期的な視点でとらえるより、長期的な視点を持ってほしい。困ったら補助金でまかなう、といったケースは悪循環しか生まない」と説明した。

生田さんによると日本の漁業は、巻き網で産卵魚や幼魚も多くとってしまっていているうえに、規制がほぼないことが問題点として挙げられるという。

最後に、小松さんは「10年後20年後のためにこれからはマグロを消費者が我慢しなければならない」と消費者に対して述べ、生田さんは「人が何も手を加えてないマグロという魚が、あんなにも美味なのは奇跡だ。マグロを絶滅させるほどもったいないことはない。」と締めくくった。

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