“ハリー”張本勲&“180km投手”カネやんコンビから見る「生放送コンテンツ」の面白さ

8月28日に放送された『サンデーモーニング』のスポーツコーナーには待ってました!カネやんこと180kmの剛速球投手・金田正一さん(83)が、我らのハリーこと張本勲さん(76)の「助っ人」として登場しました。

ハリーといえば、本塁打がたくさん飛び出す映像を見ると「ボールが飛ぶようになったんじゃないの?」と指摘をし、日本ハムファイターズが強いと「大谷翔平と有原航平の2枚看板がいるから強い」と分析します。これは毎度のことなのですが、これを聞いた先輩・カネやんは「解説がうまくなったね」と今回ホメました。喜寿を前にしたベテラン解説者に対しこの発言、いつになっても向上心を忘れないカネやんに脱帽であります。


カネやんが出た場合、厳しい「喝」がまさに風物詩ではありますが、この日も冴えわたりました。足首を痛めて降板したソフトバンクのサファテとボールを大きく後逸してしまった柳田悠岐に「喝」を入れましたが曰く「(守備のしやすい)人工芝に頼ってはいかん! 昔はグラウンドはデコボコだったのにワシらはパパーン、ペペーンとさばく。もっとしっかりせい!」と述べたかと思ったら「私、野球ちょっとうまかったのですよ」と司会の関口宏氏に言うのでした。

そんなハリー・カネやんの名コンビですが、「ドリフト」の世界選手権「D1 GRAND PRIX」が9月に中国とロシアで行われることが9月1日に発表されましたね。この競技が同番組で取り上げられた場合、果たしてハリーはどのように解説をするか、今から注目しています。というのも、ハリーの解説には以下2つの特徴があるからです。

【1】危険なスポーツには「なんでこんな危ないことするのかねぇ。何が楽しいのかねぇ」と言い顔を曇らせる

【2】日本人選手が世界で活躍している様(ただしMLBは除く。野球は日本が上だから)を喜ぶ

そんなD1ですが、主催者の資料には以下の記述があります。

「2001年に世界に先駆けて日本で誕生し、今年16年目を迎えるドリフト競技は、“車の格闘技”として世界中で人気を博しており、現在世界40数カ国で行われ、その競技者人口は220万人(D1調べ)を超えていると言われています。そのピラミットの頂点でありドリフト競技のパイオニアである日本のD1は、世界のドリフト競技の手本として存在しております。」

さぁ、どうです、これ? 齋藤太吾と川畑真人という日本人の名選手が登場するだけに、完全に【1】【2】を兼ね備えております。ハリーの表情が明るくなるのか、暗くなるのか、今から注目したいと思います。勝手にハリーのコメントを予想しましょう。齋藤選手か川畑選手が優勝したと仮定します。

「危ないねぇ。ケガでもしたらどうするの?(顔を曇らせる)でもね、日本人がこうして世界活躍するのを見るのは嬉しいね(顔を明るくする)。(関口宏から「あっぱれは?」と聞かれる)あのね、危ない競技だからね、あっぱれはなしなのよ。体操や卓球だったらあっぱれは入れるけどね」


我らがカネやん、ハリーの話はここまでで、AbemaTVですよ。8月29日にオンエアされた『AbemaPrime』の100回記念放送「反省会SP」に私は出演したのですが、印象に残ったのが金曜MCの池澤あやかさん(25)とハヤカワ五味さん(21)です。

何かというと、ビシッと言い返せるところなんですよ。余計な配慮をするでもなく、思ったことを口にする。お笑い芸人・石井てる美さんの芸に対して池澤さんが無反応だった様子がVTRで流れたところ、小籔千豊さんから「自分らができないことをダメ出しするな! 相手の言ったコメントに真心をこめて返すくらいじゃないとMCをしたらあかん!」と指摘を受けました。

すると池澤さんは「笑ってあげればいいんですか?」と反論。ここにはテレビ界の村社会的といいますか、皆で一つの番組を創りあげようよ! 協力しようよ! という姿勢ではなく、「出演者は空気を読み合うのではなく、正直な気持ちを出すのが視聴者に対する誠意じゃないですか?」という意思を感じたのでした。

ハヤカワさんも番組自体がついついスクリーンショットを撮ってSNSで拡散したくなるような「画」をもっと出すべきだという提案をするなど、「そりゃそうだわな」と思わせる発言をしたのでした。まずは出演者のPC画面のデスクトップがやたらと汚いところが映り込んでいる様子など、突っ込みどころのある「画」をカメラマンは撮るよう心がけても面白いかもしれませんね。

番組進行については、完全に独善的な方向に行くのはマズいものの、明らかな不満顔を見せたり、本当はショーン・Kさんが池澤・ハヤカワコンビ決定前までは金曜担当に内定していたことを暴露するなど、2人の自由奔放なMCが印象に残りました。この日、ウーマンラッシュアワー・村本大輔さん(35)が、「テレビごっこをネットでやってはダメ」と言いましたが、それにも100%同意です。いかにネット上の生放送コンテンツを作っていくのか? その実験を業界の片隅から私も丁寧にウオッチしていきたいと考えております。

やはり、ハリーのような「危険なスポーツには眉をひそめる」「日本人には『あっぱれ』」「子供や老人には『あっぱれ』」「日本ハムが好調だと『2枚看板がいるからね』と言う」といった「様式美」を早く作る必要があるのかもしれません。それは池澤さんが出演者に食ってかかったり、ハヤカワさんが平気で様々なことを暴露しまくったりすることも含め、です。

ただし、安易にエロの方向に行ったりするのはダメ。かつてネット生中継のお笑い大会をやったのですが、「ネットだから下ネタ言えばいいんだろ」と考えた芸人さんの評判は軒並み悪かった。本当に面白いものが評価されるわけで、「ネットだったらこうやっとけばいいんだろ?」といった決めつけはナシで、視聴者の反応で良かったものを突き詰めていくといった番組作りを楽しみにしております。

文・中川淳一郎

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