麻薬容疑者1000人殺害、国連から脱退示唆 フィリピン大統領って何考えてるの?

2016年6月にフィリピンの大統領に就任したドゥテルテ大統領が、政策の麻薬犯罪撲滅の目的で就任から約一ヶ月で402人を射殺、地元メディアでは1000人以上が殺されたと報じた。この事態に対し国連人権高等弁務官裁判所は「超法規的な措置だ」と批判。この批判を受けてドゥテルテ大統領は8月21日、「国連が無礼な態度をとるならば我々は脱退するだけだ」と国連からの脱退および、中国などと新国際組織を結成するなどと示唆した。



8月23日に放送された『AbemaPrime』(AbemaTV)ではこのニュースについて取り上げ、フィリピンの事情に詳しいノンフィクションライターの水谷竹秀氏、慶應義塾大学の渡邊頼純教授から話を聞いた。


▪︎「超法規的な措置」は、政府としては「正当防衛」


水谷氏は今回の1000人を超える殺害について「法律にのっとってないから超法規的。手続きを経ずに殺してしまっている。政府側の言い分としては『正当防衛』ということになっている」と、逮捕や裁判といった手続きを経ずに容疑者を殺害していると解説。


さらに渡邊教授は「大統領選のキャンペーンの時から麻薬問題を解消していくのがウリだった。それに干渉されたから怒っているのでは」とドゥテルテ大統領の今回の発言について分析した。


▪︎暴言をして周囲がそれを抑える「トランプ型」政治家か


今回の大統領の発言に対し、外務長官などは「国連脱退を示唆するような意図はない」といった説明を後にした。水谷氏は「反響がでかかったので火消しに回った形。沈静化をはかっている」と解説し、渡邉教授は「(米国の)トランプ氏と似たようなパターン。乱暴で誤解をうむような発言をして、周りがそれを抑える。最近トランプさんも『ごめんなさい』と言ったわけですけど、そのうちドゥテルテさんも謝罪をしたりするのでは」と、「暴言王」として知られるドナルド・トランプ氏が謝罪をした例を挙げた。


トランプ氏が一定の支持を得ているように、ドゥテルテ大統領の現地での支持はとても高いのだという。番組では現地の声や、飲食店から中継を行い、ドゥテルテ大統領について質問したが、「ドゥテルテは待望の大統領。すごく愛されている」「治安がよくなったという声も上がっている。遅い時間に街を歩いてもドキドキしなくなった」と過激な政策にも賛成の声が多い模様。

そして、実際支持率は9割を超えているのだとか。この支持率の高さについて水谷氏は「射殺っていう一面を見るといけないが、それまでの政権がなにもやってなかったというフラストレーションが支持率につながっている。あれだけ過激にとりしまらないと、麻薬とか汚職とかの問題が解決しないんですよ、フィリピンは」と、フィリピンの政治腐敗やドラッグ汚染などの内情を語った。


▪︎国連からの批判はあるが、国民の人気は絶大。人権蹂躙か、それとも……


火曜隔週MCのケンドーコバヤシは「人気は出るでしょう。どこかでうらやましさも感じる。トップが庶民の声を実行してくれるんだもの。いろいろ言ってますけど、国民の声が一番大事でしょうから……」と賛否あれどもドゥテルテ大統領が国内で人気があることに納得していた。


国連からの批判について、渡邊教授は「超法規的措置で殺害したというのは全く正当化できないこと。アメリカで警官が1人射殺した事件でも大きなデモ行進が起こったことに比べると、フィリピンの1000人って数はとんでもないことで、国民は自分たちの人権が踏みにじられているってことをわかるべきではないか」と警鐘を鳴らした。


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