【リオ五輪】レスリング・吉田沙保里の試合での“浪花節実況”に批判の声

先日開幕されたリオデジャネイロオリンピック。選手たちの活躍の裏で、競技の模様を伝える「スポーツ実況」について今一度見つめなおす機会が訪れた。

事の発端は日本時間の19日早朝に行われた女子レスリング53kg級の決勝戦で、吉田沙保里選手が敗れた時の実況アナウンスである。実況を担当したアナウンサーは試合が始まる前から2014年3月に亡くなった吉田選手の父親のエピソードを過剰に紹介し、試合が始まってからも「お父さん」「父」を連呼した。

さらには、吉田選手になりきって「おそらく父は今、自分のことを心配しているだろう」「お父さんに自慢できること。私は元気です。決勝で相手を倒します」「タックルは父親から教わった。父が一緒に戦ってくれている気がする」などと、情緒に訴えるような実況を続けた。

これに対してインターネット上では「感情論ばっかりでうんざり」「父が、の連呼は萎える」「泣かせようとする感じが鼻につく」「ポエムを聞きたいのではなくスポーツの実況が聞きたい」などと怒りの声が多数寄せられた。

スポーツの醍醐味を伝えるはずの実況で、はたしてどこまで情緒的なエピソードが必要なのだろうか。今回の“浪花節実況”への批判は、最近のスポーツ実況の在り方に一石を投じているのかもしれない。

多くのスポーツで実況を続けてきた元NHKアナウンサーの山本浩さんはこう語る。「スポーツ実況というものは選手がスポーツを通して主張していることを言葉にするものだと考えており、だからこそ、この実況は違う流派と見受けられた」と述べた。

また、何故この実況に批判の声があがったのかという質問に対して「画面の中での動きとまったく違うことを実況されるとうるさいという感覚を与えてしまうことがある」と説明。

山本さんによると、アナウンサーは他のアナウンサーと違う、個性をもった実況を生み出したいと考えている人が多いため、今回のような一歩踏み込んだものが生まれたのではないかと考える。

リオデジャネイロオリンピックで日本は過去最多の41個のメダルを獲得した。そして4年後は自国での開催を予定している。オリンピックへの注目が今まで以上に大きくなっていくことが予想される中で、スポーツ実況はどう変わりゆくのか。

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