築地市場の豊洲への移転問題 計画続行か、白紙撤回か?

11月に控えた「海鮮」の名所・築地市場の豊洲への移転計画。あと三ヶ月をきった今でも移転問題に落とし所が見えていない。 先週の築地移転に関する聞き取り調査でも大きく意見が分かれている。 移転推進派は「みんなで決めた11月上旬の築地移転。これが変更されるとなると大変な混乱をきたす」と話す一方で、移転慎重派は「不安がありますのでできれば延期をしてもらいたい」と両者の意見は平行線をたどる。

移転見直しを求める仲卸業者は586社中319社にものぼり、過半数を占めている。 移転に慎重な業者が多いのには理由がある。 まず1つ目は移転先の土壌汚染の問題だ。移転先の豊洲は東京ガスの工場跡地で、発ガン性物質「ベンゼン」が検出された。都は「858億円をかけて浄化をし、安全性は確保されている」と主張する。

また2つ目は一部の店舗でマグロが切れないほど狭くなってしまう店が出てきてしまうことだ。移転慎重派の市場関係者は「狭い店がより一層狭くなってしまう。我々は動きがとれず、仕事ができない」と嘆く。 移転により敷地面積は築地の1.7倍にもなるが、食品衛生法上の規制から間口が1.32mしかなくなる店もある。これでは1mもあるマグロを切る包丁が使えなくなってしまう。

3つ目は床が重さに耐えられなくなってしまう可能性があること。 設計では移転先の床にかけられる荷重は1㎡あたり700〜800kgなっているが、荷物を運ぶターレ(運搬車)だけでも約1tあり、すでに超過している。 これでは活魚をいれる大きな水槽も置けないことになる。

一方、移転賛成派は、

・ 築地市場存続は莫大な改修費がかかる。

・ 築地を更地にして東京五輪の道路を作る予定で早く移転しないと間に合わない。

・ 新店舗の内装工事・リース代など契約済みの業者も多く多大な損害が出る。 という3つが主な論拠となっている。 このまま問題を抱えながらも予定通り11月に移転するのか。それとも移転延期か。はたまた白紙撤回か。

小池都知事は「決めていかなくてはいけないことが多々あるので、責任をもって総合的に判断したいと考えている」と断言は避けた。 この移転問題について東京都議の音喜多駿氏は「結論から言えば速やかに移転するしか選択肢はない。実は15年以上前、石原都政初期からこの問題は議論されてきた。特に2009年、民主党が政権交代をした時にこの移転は白紙に戻し撤回すべきだということを公約に掲げ、あらゆる専門家を呼び、分析をし、検討し、それでも豊洲に行くしかないという結論が出ている。だから、もう豊洲に移転するしかないのだが、問題は少なからずあるのでその問題をどれだけ解消して移転するかということになる」と話す。

また、音喜多氏はこの築地移転問題を沖縄基地問題と重ねて 「民主党政権は沖縄基地問題で、最低でも県外ということをぶち上げて、結果として出来なかったということが失墜の原因となったので、小池都知事もこの築地移転問題をしっかり処理しなければ大きな失敗ということになってしまうだろう。」と小池都知事に警笛を鳴らした。

また、移転慎重派が問題として挙げている間口の狭さについては 「豊洲の間口は1.3mということになっているが、今の築地にも色々な大きさの店がある。東京都としては2コマで一区画として買ってほしいという要望を出しているので本当は2.6mある。ただ経済的事情でどうしても1コマしか買えない業者もある。そのため、共有のマグロを切るスペースを設けてそこで作業が出来るという救済措置もある」と理解を求めた。

今後の予定としては、11月7日に豊洲に市場を移転し、11月18日までに地下水汚染のモニタリング調査を終えることになっている。 それについて小池都知事は「決まった日程を第一に考えるのではなく、都民の納得、安全を優先させたい。」と延期を匂わせる発言をした。 混乱を極める築地移転問題。今後の動きに注目だ。

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