問題乱発の「築地市場移転」 移転延期で1日数百万円の損害か

築地市場の豊洲への移転が11月7日に迫っているが、小池百合子東京都知事は築地と豊洲を視察し、移転について「総合的に判断する」と述べた。元々、豊洲に移転する理由については築地の道の狭さや建物の老朽化が問題視されていたことにある。築地の跡地には環状二号線が通る予定。

小池氏は移転推進派・慎重派両派とも会談を行い、推進派は「移転を実行しなかったら大変な混乱をきたす」と述べ、慎重派は「不安がある」と語った。具体的に慎重派が懸念しているのは、土壌汚染や狭い店がより一層狭くなって動きが取れないことで、そもそも仕事ができない可能性があることなのだという。移転で敷地面積は1.7倍になるものの、間口が1.32mしかない店もあり、巨大マグロを切ることが不可能になるといった懸念もされているのだ。

また、1平方メートルあたりの過重が700~800kgに制限されているが、市場内を動く運搬用車両「ターレ」は1トンあり、この制限通りだと通れず、大きな水槽も置くことができなくなる。

そこで「11月移転」「移転延期」「白紙撤回」の3つの判断が小池氏には迫られているのだ。6月1日に「築地市場有志の会」が調べたところ、移転見直しを求める仲卸業者は586社中319社となっており、これは全体の54%にあたる。

移転賛成派の主な主張は「築地市場存続は莫大な改修費がかかる」「築地を更地にして東京五輪の道路を造る予定なので、早く移転しないと間に合わない」「新店舗の内装工事・リース代など契約済みの業者も多く多大な損害が出る」といったところにある。

はたして築地移転はどうなるのか。20日に放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)では、小池氏を東京都知事選で応援した音喜多駿東京都議が出演。市場の移転問題について解説した。音喜多氏によると、もはや移転するしかないのだという。

「速やかに移転するしかないんですよ。石原都政の頃から議論されていて15年以上経過しています。2009年、民主党政権の時に、移転撤回を公約にして民主党が都議会第一党になりました。それなのにあらゆる専門家を入れて検証した結果、豊洲に行くしかないという結論になった。もう行くしかないんです。あとは問題をどれだけ最小化するかが焦点です。

豊洲はほとんど完成形になっています。下手したら、沖縄基地化というか……。『最低でも県外』とか言い、民主党政権失墜の原因なので、ちゃんとハンドリングしなくてはいけないです。都議会については来年3月までに移転すれば新たな判断する必要がないです。年度内に決めれば、これ以上は議論の余地はないのです」

また、1.32mの幅については敷地を「2コマ」で買ってもらうことを想定しているだけに2.64mの幅になるためマグロを切るにあたっても余裕はあるそうだ。さらに、1コマしか買えなかった店でも、巨大魚を切るための共有スペースを作り対応してもらえそうだ。

◆この問題は2000年代に入る前に決まっていた。そして「都議会のドン」も……

土壌汚染等については、11月18日まで地下水汚染のモニタリング結果が出る。それに先立つ11月7日の移転というのは問題があるものの、2017年3月までであれば、知事の権限で再考はできるそうだ。ターレは問題なく道を曲がれるのか、間口が狭くて営業できない店はあるのかなど、実証実験も行うそうだ。

よって、移転をして改善のための策を打つのでは、と音喜多氏は解説。なお、引っ越しが伸びる際は、1日で数百万円以上の損害が出るとの試算があるようだ。

「政治的決断がどこかで必要です。政治の悪いところで、この問題は先送り先送りし続けてきたんです。2000年代に入る前に決まっていたんですよ。映画に出るような(古い)作りの建物も築地にはあるし、結論出さずに先送りしてきた都議も問題あります」(音喜多氏)

なお、移転費用は2011年は3926億円とされていたが、2016年には5884億円に増えた。これについても小池氏は都政改革本部で調査することを明言している。

さらに、週刊文春が豊洲市場に関する入札で「都議会のドン」とされる内田茂氏が監査役を務める会社に仕事が回っていることについて、入札プロセスが不透明だったと指摘。これについて音喜多氏は「議員が監査する会社が引き受けること自体がおかしいのでは?」と番組MCのみのもんた氏から聞かれ「その会社が主たる仕事を東京都から受けている場合は役員を受けてはいけないです。しかし、内田氏が監査役を務める会社にとって東京都の仕事はごく一部だったので、『適法ではあるけど倫理的ではない』ということでしょう」と解説した。

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