【相模原障がい者殺傷事件】元・右翼作家が「費用対効果」を追い求める社会が影響と指摘

先月、神奈川県相模原市の障がい者施設で入所者19人が殺害され、衝撃をよんだ事件。逮捕された植松聖容疑者は、女性入所者9人の首を刃物で刺すなどして殺害した疑いで再逮捕。17日に再び送検された。植松容疑者は職員に、重い障がいがある人がどこにいるか確認していたとみられており、警察は植松容疑者が、重い障がいがある不特定多数の入所者を狙って襲ったとみて詳しく調べているという。

障がい者とともに生きる社会について、広く議論がなされているところだが、17日放送の報道番組「AbemaPrime」(Ameba TV)でも特集が組まれた。


■障がい者が身近にいた人たちの共通意見「体験があれば、接し方は変わる」


ゲストの作家・社会運動家の雨宮処凛(あまみやかりん)氏は、「人間は常に健常者でいられるわけではない。ある日突然、障がいを持つことがある」と訴えかける。そして、かつて優生保護法という名のもとに、障がい者に対し、不妊手術を強制するなど人権を無視した行いがあった例を挙げ、「時代が逆戻りしている気がした」と語った。

氏は、知的障がいを持ついとこがいることを明かし、障がい者がいることが「当たり前の環境だった」ため、他の人にも「もっと共通体験があれば、全然(接し方は)変わっていく」と話す。



ゲストの池谷幸雄氏は、日本人特有の「気を遣う」という精神が影響しているのではないかと指摘。障がい者への体操教室での講師経験を例にあげ、「実は(障がい者は)ものすごい明るいし、元気。可哀想っていう目で見る人がいるが、彼らはもっと普通に接してくれと望んでいる。それをもっと知ってほしい」と語る。そして、

「僕は、健常者も障がい者も分け隔てなく(体操教室で)厳しく教えている。(障がい者の)親は初めびっくりするが、指導をしていくとみんな同じようにちゃんと指導を聞き、実行してくれる。それを親が初めてのことだと喜び、泣き出すこともあるんです。

(それを見て、僕は)他の人が教える時に、障がい者というだけで、気を遣って教えていたのかなと思うんです。接する機会がないから分からないんだろうなって。みんながもっと距離が近づいていけば、良くなっていくんじゃないかと思います」


と、雨宮氏と同様に、積極的に接していくことが重要だと語る。アメリカの留学経験を持つREINAも「アメリカにはスティーブン・ホーキングや、スティービー・ワンダーのように、障がいを持つリーダー的存在がいて、もっと身近」とコメント。日本で障がい者に対しての過度な気遣いが、問題の根底にあるとする池谷氏の意見に同調した。



新レギュラーのラッパー・DOTAMAは、自身の母親が養護クラスの教員だったため、自身も幼少期から障がい者と触れ合う機会が多かったといい、「合理的社会になってきて、彼らが切り捨てられちゃっている感じがする。自分も馴染んでいたはずなのに、そうなっていく不安がある。それが人間の怖い部分」だと語った。


■「費用対効果」で障がい者を“押しやる”日本社会


精神的な障がいを持つ人へのピアサポーターとして活動をしながら、自身も障がいと向き合っている黒川常治氏は

「誰でも大なり小なり、何かに対しての差別意識は必ずある。そういう小さな差別のようなものが、大きくなって酷いことになったりすることもある。例えば車いすの人が電車に乗ってきた時、車いすの人も大変だけど、周りの人も大変で、それをどう思うのかという問題がある。車いすの人がいるから、狭くなってキツイと思うのか、車いすの人が大変だからスペースを広げようと思えるのか。(自分のなかの意識に)気づくタイミングなのではないかと思う」

と語る。


さらに黒川氏は、日本国内における障がい者のサポートの現状について、

「障がい者の人が、地域の人と一緒に暮らせられれば良いが、どこか一箇所に集めてしまったりとか、そういう風になっている。例えばバリアフリー。地下鉄の駅にあるエレベーターは、駅の端っこにある。ましてや必ずあるとは限らない。ハードの面でも、まだまだ行き届いていない」

とした。


また雨宮氏は、この事件は、社会全体の現状が影響していると分析。

「費用対効果で、稼いでるかどうかといったことが、人間のものさしになっていて、それで価値を測るようなことがここ20年くらいで露骨になってきた。社会全体の余裕のなさが、事件に影響しているのではないかと思う。景気のいい時に、このような事件が起きるかというか、想像ができない。命を肯定するという当たり前の思考がなくなっている。何事も“財源ありき”で語られることが多く、それが病んでいる社会だというのを意識したほうがいい」(雨宮氏)


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