東京の上空約305mを飛ぶ羽田空港新ルート 専門家の見立てと住民たちの声

2020年の東京オリンピックに向けて渋谷・新宿を旅客機が超低空飛行で飛ぶ羽田空港の新ルートについて、先月28日に関連の自治体が合意。しかしながら、住民からは不安の声が上がっている。

地域によっては、東京タワーより低く飛ぶルートも存在しているというこの新ルート。大田区では今回の新ルートは独断で決定したものではないかという疑問が区議たちより呈されている状態だ。



8月16日の『AbemaPrime』(AbemaTV)ではこのニュースを取り上げ、専門家や政治家、住民代表などさまざまな立場の人からの意見を取り上げた。



番組では航空評論家の秀島一生氏と中継を行った。2020年のオリンピックに向けて、観光立国日本のために増便するため、市街地の上空を飛ばすこともやむをえないというのが国の方針であると説明した秀島氏。しかしながら世界を見るとニューヨークなら3つの空港、パリでは2つの空港など、首都圏の空港はいくつかで分担を行っていると解説。

「現在は羽田空港だけを過密化させようとしている」と指摘し、さらに「横田基地の空域一都九県に渡る透明な壁があり、ここを通さないことで市街地を飛ぶこととなった」といわゆる「横田空域」の問題を挙げた。

「この辺りをやはり(政府は)交渉をしたのか、プロセスはどうだったかを公表すべきだし、日本の空を返してもらいたい」と秀島氏は語った。


▪︎考えられる問題は「騒音」と「落下物」


番組ではさらに、大田区区議の奈須りえ氏、弁護士の秋野卓生氏、羽田空港増便問題を考える会の皆さんをゲストに迎え、さまざまな意見を聞いた。

奈須氏は「安全であったり騒音といった生活環境の問題もあるが、大田区の中にある羽田空港というのは、住民の48時間退去などの歴史の中で、安全や環境を守った飛び方をしていこうという国交省との約束があった場所。オリンピックや豊かな経済のために安全性や環境の問題を度外視して飛行ルートを選んでしまっていいのか」と議論が尽くされていない状態であることを示唆。



羽田空港増便を考える会の人は「私たちは困惑をしています。今回の問題がこれほど広範囲な皆さんに影響がある。なので考えなおしてもらいたいと声をあげている」も戸惑いながらも語った。



秋野弁護士は今回の問題を「まず心配されるのが騒音。航空法では施行規則において人が住んでいるところでは300m以上を飛ぶことになっている。さらに落下物の可能性もあり、騒音や悪影響については十二分な説明をしなければいけない」と今回の305mという飛行高度がギリギリのものであることを示した。

さらに心配されるのが落下物の問題。部品の一部や氷の塊、飛行機の機体で貼られたフィルムが落下することがある、と奈須区議は説明。飛行機の”足下げ”と呼ばれる車輪を出すタイミングで落ちることが多かったことから、海で車輪を出すことによって事故が減少した経緯が成田空港ではあると解説し、落下物の可能性がゼロではないことを示唆した。


▪︎元パイロットは「安全」を強調


さまざまな安全面での懸念がある都市部の低空飛行であるが、さらに番組では元パイロットで航空評論家の小林宏之氏と中継を行い、今回の新ルートについて話を聞いた。

小林氏は「安全面、騒音について、パイロットの立場から申し上げるとほとんど気にならないレベル。落下物については、飛行前点検によって減っている。エンジンも氷がつかないような防御装置があるし、除氷装置もあるので、氷が着陸直前で落ちるとは考えにくい。トイレもしくはギャレーで使用した水が排出される時に氷になるケースがあるが、それはほとんどないので、落下物においては東京ではほぼ心配はない」と安全性について太鼓判を押した。


また、低空で飛ぶことについて非常に正確な電波でコースを制御していることをはじめ、三重に監視していることから安全面での心配はないと語り、羽田はまだまだ世界の空港と比べて強化する必要があると話した。


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