【冤罪事件】21年続いた「無実」の叫び 長女殺人罪で再審無罪の母親が生激白

1995年7月22日、大阪市東住吉区の住宅のガレージで火災が発生。ガレージの隣の風呂場にいた当時11歳の女児が焼死した。この時、殺人罪で母親の青木恵子さん(52)に無期懲役の判決が出たが、その後、弁護団が様々な検証を根気強く行った結果、8月10日、大阪地裁は青木さんと内縁の夫であった朴龍晧(ぼくたつひろ)さん(50)に再審無罪判決を言い渡した。

そもそも有罪となった根拠は、取調室の自白のみ。青木さんが「やっていない」というのに聞いてくれず、刑事の言いなりになったという。自白では、朴さんがガソリンをまき、火を発生させたことになっていた。それに異を唱えるべく再現実験を行い、いかにして火が回るかなどについて検証をした。

すると、実行犯であれば炎に襲われるはずだが、青木さんは一切やけどを負っていないことなどから、自白の通りの犯行はできないということに。13日に放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)では、青木さん本人が中継で登場した。

「やっと21年前のママに戻れたよ、と言いたいです。娘殺しの母親から、普通の母親に戻れたということで、娘も安らかに眠れます。ありがとうと伝えたい」

まずはこう切り出したうえで、警察や検察に対する思いも述べた。

「始めから火災の原因とかきちんと捜査をしてもらって、自分達で分からないことは専門家に尋ねて、火災の原因を真剣に調査を頼んだら21年間もかからなかったはずです。火災の原因さえわかれば、犯人にされることもなかったのが悔しい。彼らは反省もしない。自分たちのメンツを守るだけでなく、私の事件を教訓に二度と冤罪者を出さないよう、真摯に決定を受け止めてもらいたい。

謝罪がない理由は分からないですが、私としては自分達のメンツがあるのでは、と見ています。自分が犯人と決めた人間は、自分のメンツのために通すためかと思います。それだと冤罪はなくならない。まずは反省してもらわないと……。私よりももっと前に冤罪に巻き込まれた人もいる。教訓が生かされていないです」

また、実験を行ったのは10年前だったが、その時に差し戻しができたはず。だが、そうはならなかったことについて、最高裁への疑問も青木さんは語った。

◆裁判官は「青木さんは無罪です」と目を見て言った

「最高裁がしっかりビデオを見てくれたら……。こんな自白通りの放火方法はできないのが明らかなのにあっさり棄却しました。控訴審で私が再現実験をすると言い、私が死んだら無実を認めてくれますか? と聞いたら。裁判所はそれを無視して控訴も棄却しました。控訴審で再現実験やってもらえなかったことが悔しいです」

ここで、番組コメンテーターの弁護士・佐藤みのり氏が、法律の専門家として青木さんにこう質問した。

「最高裁までいき、再審に。裁判手続きに関わった裁判官はたくさんいたのに、見抜けなかったってことですね。客観的な再現実験をしているのに、自白との整合性がない。捜査勘を過信したためにこんな20年のもの間こんなことになった。裁判所の方からも謝罪・反省はないのですか?」

青木さんによると、裁判官から謝罪されることもなく、判決文に謝罪もなかったそうだ。ただし、退廷の前に「青木さんは無罪です」と彼女の目を見て言ったことは評価。その程度が、裁判所ができる最大限のことだったのではないかと語った。

また、21年もの長期間にわたって自由を奪われた怒りについては、再審の開始決定をしてくれた裁判官に巡り会えただけで、他の人に比べれば幸せだと感じたという。だが、再審の公判でも、青木さんは結局一審の際と同じ主張をしただけだった。同じことを言っていたにもかかわらず、かつては信じてもらえなかったことに青木さんは複雑げだった。

番組キャスターのテレビ朝日・下平さやかアナから「今の暮らしは? ご長男もいらっしゃるし、幸せですか?」と聞かれ、

「獄中に21年間入っていました。私達はいっぺん違う生活をしていて戻ってきました。自転車に乗って走り回れることが自由なんだな、ということ。息子は、8歳でしたが、今年は30歳。息子も独立して自分の人生を始めている。お互いが、人生を生きて、親子として楽しく生きていければ、と思う」

と、青木さんは平凡で当たり前のこと、ちょっとしたことが幸せだと思える生活を送っていると答えた。



『みのもんたのよるバズ!』はAbemaTVにて毎週土曜日20:00~21:50にて放送中

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