”象徴”としての天皇とは、どのような存在を指すのか


宮内庁は8日午後、天皇陛下が国民に伝えるという形で撮影されたビデオメッセージを公表した。ビデオにおいて天皇は、ご自身の象徴としての務めについて「重い務め」であるとし、象徴としてどのようなあり方が望ましいかについて考えを示されている。さて、ところでそもそも”象徴”としての天皇、とはどういった存在を指すのであろうか。

かつて天皇は、大日本帝国憲法において国を治める権限を持つ元首とされていた。しかしながら、戦後、新たに作られた日本国憲法第1条で日本国と国民の象徴になったのである。この象徴という言葉は戦後、天皇の存在をどう位置づけするかに知恵を絞ったGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が日本国憲法を作る際に用いた、シンボル(symbol)に由来すると言われている。GHQは天皇の人気やカリスマ性を残すことで、戦後の日本をうまくまとめることができると考え、天皇の地位を政治的な権力を一切持たないsymbol、つまり象徴としたのだ。

そのような”象徴”としての天皇のお勤めは様々あるが、中でも大事にされてきたのは日本各地を訪ねて国民の声に耳を傾けるということである。今回のビデオメッセージにおいても、象徴天皇として「人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切と考えてきた」とされており、各地の訪問という公務の大切さを強調された。

このように国民の象徴としてその役割を日々果たされている天皇。今回「生前退位」を強く示唆されたことを受け、本当に国民に求められるのは、天皇とは何かを考えること、さらに天皇とは何かを知ることなのではないか。

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