黒田バズーカ発動か?追加金融緩和が決定 目玉の「ETF」とは

日本銀行は29日の金融政策決定会合において追加の金融緩和を決定した。

会合で決定した追加緩和で日銀はETFと呼ばれる株式の上場投資信託を市場から買い入れる金額をこれまでの年3.3兆円から年6兆円へとほぼ倍増すると発表した。

日銀・黒田東彦総裁は会見で「英国のEU離脱問題や新興国経済を背景に海外経済の不透明感が高まり、国際金融市場では不安定な動きが続いている。日銀としてはこうした不確実性が企業や家計のコンフィデンス(信頼)の悪化につながることを防止するとともに、前向きな経済活動をサポートする視点から今回の措置を決定した」と追加金融緩和について説明した。

しかし今回、国債の買入額拡大やマイナス金利の引き下げといった政策はなく、追加緩和の規模に対する失望感から円相場が一時、1ドル=102円台と2円ほど円高が進んだ。

また東京株式市場では、日銀の政策発表直後に昨日と比べ200円ほど値上がりしたが、その後一時300円超の値下がりと乱高下する展開となった。終値は昨日と比べ92円高い、1万6569円であった。

デフレからの脱却を目指しての日銀の政策ではあるが、6月の全国消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数で去年の同月比でマイナス0.5%と4ヶ月連続で下落している。

日銀の最大の目標は「2017年度中に2%の物価上昇」であり、”黒田バズーカ”と呼ばれる大規模な金融緩和を実施している。にもかからず4ヶ月連続の消費者物価指数の下落。黒田総裁の政策は”空砲”となってしまうのであろうか。

経済評論家の川口一晃氏は今回の追加金融緩和について「イギリスのEU離脱後、株も為替も円高に下落した。今もその水準であればもっと思い切った政策が出来たのかもしれないが、時間とともにマーケットが戻ってきてしまった。それが今回の緩和策のやりにくさにつながったのでは?」と黒田総裁を擁護した。

そして、今回の市場の動きについては、「失望感の表れでしょう。朝方は、日銀が金融緩和を行わないのではとの予測から株が安くなり円高が進んでいた。しかし、昼間になって金融緩和が行われるということが分かり株も上がっていたのだが、金融緩和の政策の内容が『ETFだけ』ということが分かり、また円高が進んでしまった。」と述べた。

経済アナリストの池田健三郎氏は今回の追加緩和策について一定の理解を示している。「失望という言葉が飛び交っているが、やることは最低限やっている。

黒田バズーカから始まる金融政策が本当に効果があったのかどうかは結論がまだ出ていない。来月の会議で見極めて、政策が効いているのか、いないのか判断する。その判断を出す前にドカンと大きなことをすることはできなかったのではないか」


また、今回の金融緩和の目玉であり、先ほどから良く登場している〝ETF〟について、解説した。

「ETFとは『株のパッケージ商品』である。色々な会社の株が入っている。例えば、100万円を使ってある一つの会社の株だけ買うとその会社に何かあったときに自分のお金が減ってしまう。ETFだと色々な会社の株が少しずつ入っているため、1社2社が下がっていても他の会社が上がっていれば得をする。つまり、日本経済と連携しているものである」

そして、日本銀行がETFを買うことについては、「ETFとはほぼほぼ株に近いものである。株式市場は需要と供給で成り立っているものであり、投資家が自分の判断で『この会社に投資をしよう』『この株を売ってこの株を買おう』という判断をするもので、中央銀行が特定の株を買うことは公正な取引ではなくなってしまうためできない。でも、株は支えたい。中央銀行がETFを買えば株は上がる。弱っている日本経済を元気づけるために点滴をうつという意味でETFを買っている」と述べた。

黒田バズーカ、アベノミクスによって、大企業などは景気が良くなっていることを実感しつつある。しかし、多くの人は景気の回復を実感できていないことが事実であろう。そのため人々は「節約」している。このままでは悪循環になってしまう。人々がお金を使うためには何が必要だろうか。

池田氏は「我々は『来年、再来年もちゃんとお金が入ってくる。』『老いたとき、社会保障がしっかりしている。年金もちゃんと入ってくる』というあてがあって初めてお金を使う。先の安心がない場合、今節約してしまう。今、お金を使うために、将来への安心感が必要であろう。」と述べた。

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