「ブラジルは今、100年ぶりの悪い状態」と経済専門家 リオ五輪目前も不穏な空気消えず

来月5日に、リオ五輪の開会式を控えるブラジル。しかし、政府会計を不正操作したとして停職中のブラジルのルセフ大統領が、開会式に出席しないと発言したことが物議を醸している。



27日放送の報道番組『AbemaPrime』(AbemaTV)では、スタジオに専門家として、ブラジルなどの新興国経済に詳しい、第一生命経済研究所・主席エコノミストの西濱徹氏を迎え、詳しい話を聞いた。

西濱氏は、ルセフ大統領が出席を拒否している理由について「開会式で会場の貴賓室に呼ばれると思っていたが、実際は一般席に呼ばれるということが分かったため」と説明。停職中のルセフ大統領の出席に関しては、現在大統領代行であるテメル副大統領にとって「プラスになるのかといえばそうではない」「首脳外交の際に、どちらと会うべきなのか混乱を招く。2人いる状態は好ましくない」と、慎重な見方を示した。


■現在のブラジルで、オリンピックはどう受け止められているのか


さらに番組では、現地ブラジルで日本料理店「あずみ」を30年に渡って営む、小原功さんと電話中継にて、現在のブラジルの様子を聞いた。

小原さんによると、約2億人の人口を持つブラジルでは現在1300万人ほど失業者がいるが、オリンピック後は2000万人にまで膨れ上がると言われているとのこと。そのため、「ブラジル国内は、オリンピックどころの状況ではない」という。

「ブラジルに53年間いますが、こんなに不景気なのは初めて」と小原さん。オリンピックによる経済効果は「建築業や、お土産関連、サービス業の一部の人のみ」で、自身の料理店は「オリンピック期間中はいいが、終わったら閑古鳥でしょうね」と冷静だ。

なお自身のお店は去年と比べ3~4割の売上減で、小原さんは「(自分の店は)まだ日本人や欧米人が来るからいいが、ブラジル人だけを相手に商売をしているところは大変だと思う」と話す。


また、ブラジル国内の治安については、「中産階級と低所得者層が住んでいるところは分かれていて、中産階級が住むエリアは、治安はそこまで悪く無い」としながらも「中産階級のエリアを外れると、日本の1~2世紀前の山賊や泥棒がいっぱいいる感じ」。場所によっては注意が必要であり、「軽装で金目の物を持たないこと。夜は絶対に出歩かないこと。移動はタクシーなどの車を利用すること」など、旅行者への注意喚起をおこなった。



そしてこの後、西濱氏は、「日本は1964年の東京五輪の際に、ちょうど右肩上がりで、五輪に向かって行こう空気があった。その幻想みたいなものがあって、2020年の東京五輪も盛り上がっている。ブラジルの場合は五輪が決まったときが頂点で、その後右肩下がりで真っ逆さまに落ちちゃっている。先ほど、53年暮らしているという小原さんのコメントがありましたが、今のブラジルってはっきり言うと100年ぶりの悪い状態。それくらい悪いっていうのが現状です」と説明した。


これらの話に、同日の番組ゲストで戦場カメラマンの渡部陽一氏は「今、情勢が不安定だが、サッカーのワールドカップでは、最終的には落ち着かせた。オリンピックでも、そうなると信じたい」とコメントした。


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