兵庫県芦屋市で起こる景観論争 日本一厳しい条例が波紋を呼ぶ

東京の言わずと知れた高級住宅地・田園調布。この土地と並んで、日本の二大高級住宅地と呼ばれるとあるセレブの街で、今、”景観論争”が起こっている。

論争の舞台は兵庫県芦屋市。兵庫県内において、県庁所在地である神戸市寄りに位置し、固有の阪神間モダニズム文化に育まれた瀟洒な街並を擁する。市内北部は高級住宅地として名高く、市内南部は谷崎潤一郎の小説「細雪」の舞台になったことでも知られる。北に六甲山地、南に大阪湾を臨んだ豊かな自然と、南に緩やかに傾斜する地形は、美しい景観と温暖な気候を形成する。また、芦屋市は全市庭園化構想を掲げており、「世界一美しく、清潔で安全なまち」を目指している。

このセレブの街・芦屋市において公布された条例が、今、”日本一厳しい条例”として波紋を呼んでいる。あまりの厳しさに商店が困惑しているこの条例は、「屋外広告物規制条例」というもの。これにより屋外広告のおよそ4割が違反とされ、屋上広告やアドバルーンは全面禁止となった。また、突き出した看板も1㎡を超えてはならず、赤や青などの原色は使用禁止に。さらには店先の広告物も規制対象とされ、「3枚目までは無料、4枚目からは1枚につき1000円払うように」などの仕組みとなった。この条例に従わない場合は、「・最大50万円の罰金 ・猶予期間は最長10年 ・看板の撤去費は市が3分の2を負担(※要相談)」の原則に従うことになる。

この条例を議会にて強行採決した山中健芦屋市長は「厳しすぎるくらいでちょうどいい」と述べており、昨年4月の芦屋市長選の際に強く訴えた「芦屋を住むのに特化したとびっきりの街にしたい」との考えを実行に移したようだ。

しかしながらこの条例に反発する、芦屋市商工会にて副会長を務める新谷勝彦氏は「市は、高級住宅地にふさわしくないものはダメだと訴えており、日本で一番厳しい条例を作ることで、逆に住みやすい街を作ろうとしている」と述べた上で、そのような市の態度について「街は住宅だけで成り立っているわけではない」と反論。また、条例などの法規が一般的には制定以降の事物に効力を発揮するが、今回の条例が過去に遡及している点に対しては「表現の自由や財産権に触れる可能性がある」と、厳しく反発している。

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