トルコ・クーデター未遂 トルコ世論は二分か

トルコのクーデター未遂事件を受け、20日に会見したメリチ駐日トルコ大使は「混乱は解消された」と宣言した。15日夜(日本時間16日未明)発生した軍の一部によるクーデター未遂では多くの犠牲者を出した。一連の爆発や衝突でこれまでに市民軍関係者290人が死亡、1400人が怪我をした。現地や海外メディアによるとクーデター鎮圧直後、軍関係者6千人以上が拘束、また警察官9000人以上が免職されたという。

教育関係の公務員などにも免職は広がり、拘束された人を含めるとその数は45000人に上るという。さらに一部のラジオやテレビ局の放送免許の取り消しにまで踏み切ったとも報じている。トルコ政府はこのクーデターを政権に批判的でアメリカに亡命中のイスラム教指導者ギュレン師が指導したと指摘、アメリカに対してギュレン師の身柄を引き渡すよう要請した。一方のギュレン師側は関与を否定している。

さらにエルドアン大統領は2004年に廃止した死刑制度を早期に復活する必要があるとの考えも示した。メリチ駐日トルコ大使はこの会見でトルコの政情不安を受け日本からの観光客が減るのではないか、との質問に対し「混乱は解消された」と繰り返したが、国内大手の旅行会社によるとトルコに旅行する日本人客は去年から続くテロをきっかけに激減、ツアーを企画した旅行会社もあったが参加申し込みがなく中止したものもあったという。

中東情勢にくわしい放送大学教授 高橋和夫氏はエルドアン大統領の過度ともとれる関係者の更迭、拘束に対して「これまで自分に敵対していた人たちを一掃するのにこのクーデターを千載一遇のチャンスとして利用するだろう」と分析している。だが、このクーデターにはエルドアン大統領が自ら演出したのでは、との見方もある。これについては「エルドアン大統領の側近も亡くなっている。エルドアン大統領の自作自演だとは考え難い」との見解を示した。

この現状を受け日本在住でトルコ人のハサン ヌリさんは「今回のクーデター未遂にはショックを受けたが、このクーデターは民主主義に基づいて国内をクリーンにする良い機会ではないか」と語る。だがイスタンブール在住のトルコ人は「いまのトルコで民主主義が守られているかどうか懐疑的だ」と語っており、放送大学教授 高橋和夫氏によるとクーデター後の政府の対応が果たして民主主義に即しているのか疑問を持つ国民も多く、トルコ世論は二分しているという。


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