第155回「芥川賞」に村田沙耶香氏『コンビニ人間』 直木賞に荻原浩氏『海の見える理髪店』

日本文学降興会は19日、『155回芥川賞・直木賞』の選考会を開き、芥川賞には村田沙耶香氏の『コンビニ人間』(文學界6月号)、直木賞は萩原浩氏の『海の見える理髪店』(集英社)を選出した。村田氏は初ノミネートで受賞、萩原氏は5度目の候補で受賞した。

芥川賞を受賞した村田氏は「奇跡のような感じ。ふわふわしていますがとても嬉しいです」と直後にコメントした。受賞作の『コンビニ人間』について記者から、「村田さんが実際にコンビニでバイトしてるというのは本当なのか」という質問に、「本当です。これからも続けていくかどうかは店長に相談するが、可能ならやりたい」とコンビニアルバイトの継続意欲を述べた。

コンビニという題材の小説にした背景について聞かれると、村田氏は「コンビニは自分自身長くバイトしていたから、もう自分の領域。コンビニについて小説を書くことはないと思ってたがなぜか急に書いてみようと思った」とコメント。村田氏は、芥川賞の受賞式の前にもコンビニでバイトしてきたといい、自身のコンビニに対する愛情を述べた。

記者に、今回の小説で楽しかったところを聞かれると「自分のよく知っているコンビニを舞台として描いたが、それでも自分の知らない世界を発見できた」と、それが小説の楽しみであると微笑んだ。

芥川賞選考委員の川上氏は『コンビニ人間』の芥川賞受賞の理由として、「変わった主人公や過不足のない描写力、ユーモア、この小説は現代でなければ書けないところが興味深い」と評価した。

一方、直木賞を受賞した萩原氏は受賞直後のコメントで「戸惑っている。いつもは心の平和を保つために賞に選ばれなかった場合のシュミレーションをしている」と戸惑いながらも受賞を喜んだ。


評論家の大森望は「芥川賞は、とっつきにくい印象があるが、今回受賞した『コンビニの人間』は比較的読みやすく面白い。直木賞を受賞した『海の見える理髪店』は、家族のあり方や人生の機微をうまく描いている」と感想を述べた。そして、今回の発表をうけて明日から書店に受賞作品が陳列されることが経済効果になると予想される。スタジオで、若者の読書離れについて指摘されると「メディアで広く取り上げられることが多くなり、若い世代も書店に立ち寄って読んでみようという意欲につながる」と大森氏は述べ、読書離れに芥川賞直木賞は貢献すると期待した。

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