作家・海堂尊、なぜ今、チェ・ゲバラを描くのか?

医療エンタテイメントで一世を風靡した海堂尊氏が注目した人物、チェ・ゲバラ。チェ・ゲバラとは1959年に自由を求めてキューバ革命を起こした伝説的英雄である。Tシャツやタバコのパッケージなどで目にしたことがある人も多いはずだ。


なぜゲバラは革命家になったのか?その原動力になったのは貧困にあると言われている。アルゼンチンの医学生であったゲバラはラテンアメリカ諸国を訪れた際、アメリカの支配によって生まれた貧困・差別・抑圧を目の当たりにした。そこで芽生えたのが不平等な世界を変えたいという思いだった。その思いを胸にラテンアメリカ諸国を巡る中出会ったのが、キューバの革命家フィデル・カストロである。アメリカの支配からの脱却という同じ志を持ち、迎えた1959年、医師だったゲバラは兵士になりラテンアメリカ諸国の貧困の根源となっていたキューバへと渡る。そこで当時の親米政権を打倒し、倒し革命を成功させた。

だが、その後、ゲバラとカストロの意見は食い違う。ゲバラは南米全体を解放した後、南米諸国を統一して一つの大きな国を作るという理想のため、新天地ボリビアへ身を投じる。そこで命を落としてしまう。まだ39歳という若さだった。


ゲバラが有名になったのは亡くなってからである。ベトナム戦争の反戦運動と一致してアメリカに対する反米活動の象徴となったのだ。ボリビアでのゲリラ戦は散々たるものではあったが、亡くなってから世界中に飛び火することになった。しかし何をした人物なのか日本ではあまり知られていないのが現状だ。海堂氏はなぜ今、チェ・ゲバラを描くのか。注目した点として、「無名の男がたまたま居合わせたカストロとともに大国アメリカのすぐ下に位置しながら革命を成功させ、成功させた後もストイックに暮らし、革命を続けるためにキューバでの自由をなげうった生き様だ」と語る。

革命家としてのチェ・ゲバラしか知らない私たちに革命家に至るまでの生い立ちや、なぜ革命に身を投じたのかといった点を納得してもらえるように海堂氏は今回4部にわたる著書『ポーラースター ゲバラ覚醒』で記している。

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