【福島第1原発事故】避難指示が解除されるも残る2つの大きな問題

東京電力福島第1原発事故の影響で福島県南相馬市の一部に出ていた避難指示が12日午前0時、解除された。今回避難指示が解除されたのは、帰還困難区域を除く、小高区のほとんどの地域・原町区の一部で対象住人は1万800人にのぼり、2年前から始まった避難指示解除の対象者としては過去最多となる。

避難解除に伴い、震災以後運行を停止していたJR常磐線 原ノ町駅〜小高駅間の運行も再開した。南相馬市の桜井勝延市長は「住民にとっては安心する材料が一つ増えたと思う」と前向きな姿勢も示しつつ「地域住民同士の“精神的つながり”という意味で、コミュニティが失われている地域もある。一人だけが戻っても、周りに人がいないから戻りたくないという人たちもいる」との懸念も示した。

震災問題に詳しい立命館大学准教授 開沼博氏は「避難指示が解除された一方で、除染と賠償問題という2つの大きな問題が積み残されたままだ」と語る。福島県内ではいまも36の市町村で除染作業が続いており、放射能の除染作業は終わっていない。汚染土を貯蔵するための中間施設も建設場所は決まったが、まだ完成しておらず、汚染土の多くが県内に846箇所ある仮置き場に一時保管されている状況だ。

震災以来、京都に避難している福島敦子さんは「避難指示が解除されたものの、本当に除染問題が解決したのか懐疑的。当分は福島に戻ることはないだろう」と不安を露わにする。被災し、全国各地へ避難している住民たちの不安はまだ消えていない。それに対して開沼氏は、「科学者や行政がなにをいっても、避難している人は信頼できない状態にあるのではないか」という。

避難指示解除が始まり、今後はより情報を透明化し被災住民の不安を拭うことが求められそうだ。一方で、2011年の7~8月に結成され現地で捜索活動などを行ってきた「復興浜団」のメンバーは「今回の避難指示解除は復興へのきっかけになると思う。すこしずつ地元に人が戻って来れば良い」と語り復興へ向けて前向きな姿勢を示している。


今後、除染や賠償問題などの課題が前進すれば多くの町の避難指示が解除され、徐々に復興へ向かっていく。だが、避難から戻ってきた高齢者たちの問題や、地域コミュニティの崩壊など新たな問題が待ち受ける。政府はどのような対応が求められるのか、ジャーナリストの木野龍逸氏は「スピード感よりも住民の意見を聞いて、これからどうして行かなければいけないかをきっちりと考える必要がある」とし、スピード感のある対応よりも住民に寄り添ったきっちりとした対応をすべきだと強調した。

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