南相馬市の避難指示解除も、未だ問題山積み 専門家が語る


7月12日、福島・南相馬市小高区のほぼ全域と原町区の一部地域の避難指示が解除された。対象はおよそ1万800人と過去最大規模の避難指示解除となる。また、避難指示の解除に合わせ、不通となっていたJR常磐線の運行も再開した。

未だ除染作業が続く中、戻ってくる意向を示す人はおよそ2割。東日本大震災、原発事故による避難指示からは約5年4ヶ月。現在の状況はどうなっているのだろうか。

7月12日にオンエアされた「AbemaPrime」ではこのニュースについて取り上げた。



■手放しでは喜べない、複雑な事情が絡み合う

立命館大学・開沼博准教授によると、この避難指示解除は様々な事情が絡み合い、住民の中でもとらえかたが複雑だそうだ。



良いことしては、「侵害されていた居住の権利がふたたび担保されたこと」だが、他方で5年以上も放置された住居は雨漏りの問題や、野生動物の住処になるなど簡単に住める状態ではないという。

さらに、除染が居住区だけで完了しており、農作地では行われていないことも問題のひとつ。自給自足をしていた住民が多かった地域では、農作業はもとより、ご近所付き合いという「コミュニティの消失」が障壁になる。

そして賠償についての問題も積み残されているという。

「帰ったら賠償を出してあげるよとか、帰らないと厳しくするよという思惑がちょっと見える。5年以上も離れていた住民にとっては難しい」と開沼氏。



さらに、福島第一原発の事故に詳しい原発ジャーナリストの木野龍逸氏は「戻るか戻らないかを住民が自由に選択できる状況が続いていればいいが、避難指示解除によって今まであった補償が全部切られていく。つまり選択できる幅が狭まっていく」と続けた。

「放射能が不安だから戻らない」という選択肢を選ぶ住人は補償が打ち切られていくなど、切り離されていくことに対して疑問が残るという。

さらにその指示解除になった範囲にも放射線量が高い地域も含まれており、喜びの声が上がる中にも、住民の不安は尽きないようだ。


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