【参院選総括】10代の多くが与党に投票 その理由は「今の世の中に不満がないから」

7月10日に投開票された参議院選挙は、「改憲派」が議席の3分の2を超えたことや、18歳選挙が初めて実施されたことなど様々な論点のある選挙となった。11日に生放送されたAbemaTVの報道番組『AbemaPrime』では、今回の選挙を総括した。



番組では、沖縄・福島選挙区で現職閣僚二人が落選したことを受けて、来月初旬にも内閣改造と自民党の役員人事に踏み切る見込みであることが述べられ、本来自民党が強いとされる東北で、野党の勝利が目立ったことなどが語られた。



月曜番組MCの村本大輔(ウーマンラッシュアワー)は「地方は自民党が強いイメージがあった」と述べると、コメンテーターを務める8bit news主宰・堀潤氏は、「柏崎刈羽原発がある新潟も無所属の候補が勝ち、沖縄、福島も野党が取った。身近な政治課題に直面した人々は、安倍政権の政治に問題を突きつけた形になった」と語った。



ここで選挙に詳しい国際医療福祉大学の川上和久教授が登場。今回の選挙の特徴について解説した。

「2つの選挙制度が存在する。今回の一番の特徴は、2人区を自民・民進で分け合うということ。3人以上のところで、積極的に自民党がもう一人の候補を出した。4人の定数で2人を立てた。複数候補を立てたことによる相乗効果により、都市部で自民党は得票した。公明党は、3議席のところで打って出た。そうすると、選挙区に集中して比例で取れないのでは? と思われたものの、都市部で立てたからこそ、比例で勝てたという側面がある」


また、今回の選挙が今後の日本にどう影響するかについてはこう語った。

「改選議席で、非改選合わせると、憲法改正の発議ができるだけを取った。ただ、憲法改正にしても、『政党の間で話がまとまれば』ということが前提になる。公明党は、『加憲』といって条文を足していく。だからすぐに決められるものでもない。(与党が負けた)福島のあたりは、震災復興について思うようになっていないといういら立ちが感じられる。震災復興について、政権政党は対策を行っていたが、現地の人は十分ではなかったと感じた。それが野党に票を投じる結果になったのでは。つまり『与党の政策が十分ではない』と思われるところで野党は票を集めた」

さらに、川上氏は、今回与党が敗れた選挙区があったことについては「お灸をすえる」という意味合いがあったとも語る。つまり、「ちゃんとやれ」という意思を伝えるということだ。1989年、野党が大勝したことがあったが、この時も有権者が自民党に「お灸をすえた」かたちとなった。


今回、18歳に選挙権が与えられた初の選挙となったが、10代の人々は44%が自民党に入れていた。これは、40代以上の人々が自民党に投票した割合よりも高い。これについて川上氏は「若い世代の保守化は言われていた。60代は、全共闘世代で安保反対と言っていた。思春期に、政権政党に反旗を翻した。今の若い人は、今の政権になんとかしてほしいということを託している」と述べた。



また、10代が与党に投票した理由を、中継で登場した神戸大学大学院の品田裕教授はこう語る。

「若い人はイベントが好き。年齢が下がったというのを契機に、記念に行ってみようというのが、投票率高めの結果。その人が自民党をえらんだのは、色々理由はあるんでしょうけど、不満があんまりないってことかな。今のところ、こんな感じでいいかなってことで選んでるのかな、と思う。大事なところで、若い人は白紙の状態。知識も経験もない。大人になると大人の事情が分かる。若い人は、理想論で考える。周りの人が言ったらそこに従う。周りが言ったらそれに従う。(誰も何も)言わなかったら『安倍さんは、アベノミクスがあるからいいんじゃないの?』みたいな思いから自民党に投票したのかもしれない。

あと、60代の人は『世の中を変えてやろう』と思っていた。でも、若い人は『このままでいいんじゃないの?』と思っている。話を聞くと、『自民党の方が何か変えてくれるのでは?』と思っている。民進党は、彼らが中学生くらいの時に大失敗したイメージがあるので、選びにくい」


なお、18歳の投票率は51.1%で、19歳は39.66%だった。


こうした結果を受け、村本は「18歳は社会に出てないのになんで不満があるの?」と問題提起すると、堀氏は「将来に対する漠然とした不安や政治に対する不満がある。憲法に対しては、若者は真剣に考えているのでは、と印象を受けます。半分の若い人は、自分の一票がどんな作用をするのかわからないので怖いという声もある。若者だから、年寄だからと分けるのはぼくは好きではないんです。政治のことを本当に分かっていると聞かれたら、本当に分かっているという人は少ないと思う。世代を超えて議論しなくては」と語った。


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